それでもミディアムタイヤに履き替えてからは、中団グループでポイント圏内を争う力はあった。ペレスやマクラーレン勢ほどの速さはなかったものの、クビアトの冷静なドライビングで10位入賞は確実にできたはずだった。

 だが30周目のターン3でインに飛び込んで来たダニエル・リカルド(ルノー)がオーバーシュート。クビアトもその影響で曲がりきれず、コースに戻ろうとしているところにリカルドが後進で突っ込んできた。

 右のフロアは大きくダメージを負い、走行の継続は不可能だった。

 それでもレース後に謝罪を受けたクビアトは、リカルドに怒りをぶつけることはしなかった。

「ダニエルはもう少し忍耐が必要だったね。その前のターン1ですでに抜かれかかっていたんだけど、ターン3ではインに飛び込むにはタイトすぎたと思う。信じられなかったけど、レースではこういうこともあるからね」

「オーバーテイクをしようとしてミスを犯せばガッカリもするし慌てもする。不運だったとしか言いようがないよ。彼も自分のミスだと認めてきちんと謝ってくれたし、それはとても素晴らしいことだと思う。彼との間に個人的なわだかまりは何もないよ」

 アルボンも1周目のターン1を皮切りに「レースの中で何回かはウォールにヒットした」というが、ペースは悪くなかったと振り返った。しかし予想に反してタイヤのデグラデーションが大きかったため第2スティントを有利に進めるためにピットストップを遅らせたことが結果的に大きな遅れを招き、バーチャルセーフティカーが入ったことで挽回も難しくなってしまった。

 結果的にノーポイントに終わってしまったバクーの週末だったが、ポテンシャルが高かっただけにトロロッソ陣営に悲観的な雰囲気はなかった。しかしレース週末全体の組み立てという点で再び課題に直面してしまったのもまた事実だ。

 次戦スペインGPでは開幕前テストのデータも充分にある。ここでしっかりとした戦いを見せ、まずは一度きちんとマシンのポテンシャルを最大限にリザルトに繋げるためのセオリーを見付け出す必要がありそうだ。

2019年F1第4戦アゼルバイジャンGP アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1第4戦アゼルバイジャンGP アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)

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