一方、メルセデスAMG勢はブレーキの過熱に苦しみ始めていた。「ニコ、これは深刻だ。本当にブレーキマネージメントが必要だ」とのチームの指示は、ハミルトンにも同様に発せられた。

 13周目のフェルスタッペンを皮切りに各車が1回目のピットストップを迎え、15周目に2位リカルドと3位ハミルトンが同時ピットイン。ハミルトンはこれに不満を訴える。

「カモン! (同時じゃなく)抜ける戦略にしてくれよ!」

 翌16周目にピットインしたロズベルグは4.3秒を要したものの難なく首位を守った。ただし、多くがスーパーソフトを履いたのに対し、メルセデスAMG勢だけはソフトタイヤを履いた。「別のプランを考えてくれ! このブレーキ状況じゃこのペースが最大限だ」とハミルトン。

 後方からはライコネンが迫り、いよいよ状況は切迫する。「ハミルトンはまだブレーキの問題に苦しんでいるというメッセージを受け取ったぞ」とフェラーリがライコネンに連絡。首位のロズベルグも同様にブレーキに不安を抱えている状況だった。

「ニコ、もう少しブレーキマネージメントをしてくれ」

 そして33周目のターン7でハミルトンがロックさせてコースをオーバーランし、一気に差を縮めたライコネンがターン10でインを突いてオーバーテイクに成功した。

「素晴らしい仕事だ、キミ!」チームから無線が飛ぶ。

 同時に2回目のピットストップ始まり、ここでも順位の変動は見られない。そこでメルセデスAMG陣営が動いた。

「OKルイス、プランBに変更する。ライコネンを捕まえよう」

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