その矢先、ターン1〜2でランス・ストロール(レーシングポイント)とランド・ノリス(マクラーレン)がクラッシュし、マシンと路面に散乱したグラベルが走行の妨げになったためセーフティカーが導入された。
これで3番手ルクレールと4番手フェルスタッペンのギャップが帳消しになり、フレッシュなタイヤで攻められては勝ち目なしと判断したルクレールは一旦は3番手の座を捨ててピットに飛び込みソフトタイヤに交換した。
フェルスタッペン:リスタートの時もパワーモードを使える?
レッドブル:あぁ、モード6にしてくれ。それとブーストボタンも使え
フェルスタッペンはセーフティカーを味方に付け、そこからは実力で後方のベッテルとルクレールを抑え込んで開幕戦以来となる3位表彰台を獲得した。しかしセーフティカーがなければコース上でルクレールを逆転できたかどうかは分からない。
そして1-2フィニッシュを果たしたメルセデスAMGは、リスタートの際には不要にリスクのあるバトルは避けるよう各ドライバーに指示が出されていた。前戦アゼルバイジャンGPでのレース終盤のバトルについてチーム内で取り決めがなされたばかりだったからだ。
メルセデス-ボッタス:クリーンなスタートをしてくれ。ストラット5。ターン1へのブレーキバランス調整を忘れるな
メルセデス-ハミルトン:よくやったぞルイス! 素晴らしいドライビングだった。最高の1日だった。スタートも素晴らしかった。“Mad dog(狂犬)”、まさにその言葉がピッタリだったね」
結局ハミルトンが独走で今季3勝目。対照的にフェラーリは表彰台すら獲得することができずにレースを終えた。マシンパッケージの速さもさることながら、チームとしての総合力の差がはっきりと現われたスペインGPの決勝だった。