某エンジニアによれば、「現在のF1マシンのコンピュータ制御はマクラーレン製に統一されており、ピットレーンを出てしまうと、設定の変更ができない」のだという。

 では、スタート用のトルクモードでレースを走行するとどうなのか。フェルスタッペンは、スタート用のトルクモードでのドライビングを次のように述懐した。

「正確な数字はわからないけど、スロットルを踏んでも反応にタイムラグがあって、突然パワーが出てくる感じだった」という。

 某エンジニアも、「高回転域ではほとんど問題はないが、低速コーナーの立ち上がりでは、かなりドライビング難しかったはず。モナコは1速で立ち上がるコーナーがヘアピンとシケインとラスカスと3つあるので、かなり大変だったと思う」と追いかけるフェルスタッペンも厳しい状況だったのではないかと言う。

 レースではラスカスやヘアピンへのブレーキングで何度も接近したフェルスタッペンが、その立ち上がりで引き離され、ストレートで追いつけないシーンが何度も見られた。

 もし、適切なトルクモードでレースができていたら、レースは少し違った結果となっていても不思議はなかっただろう。

2019年F1第6戦モナコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のバトル
2019年F1第6戦モナコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のバトル

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