「どうしても彼のトロロッソを抜けなかったわけじゃない。たとえばの話、いまのF1では100ドルの手持ち資金を、40周にわたってうまく使うことを考えなければならない。目の前のクルマを抜くために90ドルを使ったら、もうそのレースを走りきれなくなってしまうんだ」

「だけど、ファンにはそんなことは関係ない。彼らは僕が最後まで全力でレースをするのを見たいんだ。ファンは僕があらゆる手を尽くして、最高のオーバーテイクを決めることを期待している」

「ところが、残念なことに、いまのF1はそういう風にはできていないんだ。たった1台を抜こうとしただけで、使えるエネルギーを全部使い切ってしまうなんて、あまりエキサイティングじゃないよね」

 彼のマクラーレン時代の元チームメイト、フェルナンド・アロンソも現在のF1に対しては批判的で、ドライブしても以前のように楽しくないと発言したことがある。当時、これについて質問されたハミルトンは、次のように述べた。

「昔の方が、限界を極めることを目指した本当のスプリントレースに近かった。最近のF1は、もうそういうレースではなくなっている。タイヤ、バッテリーのパワー、ターボ、とにかくあらゆるものを労り、温存しながら走らなければならない。ファンがチャンネルを合わせて見たいと思うのは、そんなものではないだろう」

 また、来季はマクラーレンのリザーブを務めることが決まっているジェンソン・バトンも、新規定は正しい方向への一歩であると考えている。

「(レギュレーション変更には)いつもプラス面とマイナス面が伴うものだが、来年のハイダウンフォースのクルマとワイドなタイヤは、現状よりもずっとバランスがいいと思う」

「来年のクルマは、ドライブするのにもっと体力が要るようになるだろう。それは間違いなく良いことだ。いまのF1は、身体的な能力が要求されるスポーツではなくなっている。トレーニングなんて必要ないと思うくらいだ」

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