午後2時33分。今年最初のセッション開始から3分後、乾いた空気を切り裂いて、セルジオ・ペレスが駆るレッドブル・ホンダが目の前を通り過ぎて行った。レッドブルが2021年を戦うマシンとして製作したRB16Bに搭載されたホンダのパワーユニットは、昨年のRA620Hとは、まったく異なるフィロソフィで設計された新骨格のパワーユニットだ。

 カムシャフトのレイアウトを大幅にコンパクトにして位置を下げ、バルブ挟み角も変更。これにより、燃焼室の形状も一新された。これでパワーアップしただけでなく、シリンダー上部がコンパクトになり、同時に重心も下がった。さらにボアピッチ(シリンダー間の距離)も縮めて、重心だけでなく、サイズ自体をコンパクトにした。ターボとコンプレッサーがVバンク角に入っていた、2015年から2016年にかけて戦ったいわゆる『サイズ・ゼロ』とは、ターボとコンプレッサーのレイアウトが異なるので単純に比較はできないが、パッケージとしてはこれまでにないコンパクトなパワーユニットになったことは確かだ。

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