開幕戦では惜しくも敗れたものの、2021年のレッドブル・ホンダがメルセデス以上の戦闘力を有していることは間違いない。F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、その成功要因を4つに分けて分析した(全2回)。
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1)風洞データとの相関関係を改善し、空力的不安定さを解消
2020年のRB16は開幕当初からマシンリヤの挙動不安定さが顕著で、マックス・フェルスタッペンでさえ突然スピンを喫するほどだった。この年のレッドブル開発陣は、メルセデスが2017年から投入していた細身のノーズと複雑な形状のフロアスカートを採用。前方からの空気をより多く取り入れ、それを効率よくフロア下を通し、ディフューザーへと流すことで、いっそうのダウンフォース増大を狙ったのだった。