──角田選手は終盤、ガスリーの後ろを走る展開で、大きくタイムを落としています。中継映像には映っていなかったのですが、何が起きたのですか。
本橋CE:コースオフしたんですね。タイヤが冷えたりして、それで挙動を乱したみたいです。ただそれもうまくリカバリーして、その後は通常のペースで走ってくれました。
──その意味からしても、初日に十分走れなかったのは残念でした。
本橋CE:ええ。セットアップについては、走ってナンボというところが多い。そこで最適なセットアップを見つけられなかったことで、のちのち予選、そしてレースでも影響が出てしまったかなと。
──前戦イギリスGPは、いい感じで週末を送れていました。それだけにあのクラッシュは、ちょっと残念でした。本人は「(あの区間で)ガスリーに後れを取っていたので頑張った」と言っていましたが。
本橋CE:それもあったかもしれません。ただドライビングスタイルだけでなく、それに合ったセットアップがあの段階では、いまいち見つかっていなかったと思いますね。クルマが若干ナーバスになっている感じもありました。その観点から言うと、ちょっとしたミスで挙動を乱したところもあった。車体側のセットアップもうまく決まっていなかった部分も、ひとつの要因かなと思います。
──本人的には、決して無理してプッシュしたわけではないということですか。
本橋CE:そうですね。もちろん角田自身はいつも積極的に、毎回毎回F1というものを学んで、頑張っていろいろな挙動を探っていたりする。ある程度しっかり攻めていったなかで、クルマの限界をきちんと探ろうとして、ちょっと外れるとコースアウトだったりクラッシュに繋がる。そういう状況が、最近ちょっと多いかなという気がします。ですのでドライバーの運転の仕方など、その辺りをホンダも含めたチームとドライバー、お互いがもっとコミュニケーションをとって、ドライバーの要求にどう応えるかというところも詰める必要があると思っています。もちろんドライバーのテクニックも、今後いっそう期待しないといけないわけですけど。
──必ずしも角田選手に、焦りが見えるわけではない?
本橋CE:ないと思います。もちろん、今日は頑張ってやる、というのはありますよ。でもそれよりは、うまく乗るためのセットアップがまだ見つけられていないかなという気がします。
──ドライバーとチーム側、お互いがまだ見つけ切れていない?
本橋CE:そうですね。