Text : Jun Imamiya

☆イベント:ドイツGP

空席が目立ったドイツGP
空席が目立ったドイツGP

 先月末に17年ドイツGP消滅が決定。2年ぶりに第12戦としてホッケンハイムで復活したが……。決勝日観客5万人強はあまりに寂しすぎた。金曜には1コーナースタンドを『ROLEX』の巨大看板で埋めるなど上海、中国GPのよう。伝統あるドイツGP、伝説のホッケンハイムがそこまでやらなければならないとは。

 10数年前は週末に20万を超える大観衆がひしめき、サーキット周りの森の中はキャンプ客であふれ、テントには飲んだビール缶が山のように吊るされていた。BBQの匂いと酔っ払いが叫ぶ「シューミー!!」の声、スタンド裏は渋谷スクランブル交差点のような人間渋滞。

 コメンタリーブースまで移動するのに何分もかかった(それが懐かしいホッケンハイム)。今年はトラックリミット問題が持ち上がるなど、コンペティションの本質から遊離した話題が……。レーシングイベントとしてさまようドイツGP、母国王者と母国最強マシンが揃っているのに人気低迷に歯止めがかからない。あまりに偉大すぎたミハエル・シューマッハがあのようなスキー事故に遭ったことも、少なからず関連しているのかもしれない――。

☆ルール:一貫性のないFIA

小手先の変更ではファンは戻ってこない
小手先の変更ではファンは戻ってこない

 朝令暮改、ルール変更の混乱が相次いだ今シーズンを表現する四文字熟語。もう忘れかけているが開幕2戦に“新予選ルール”が導入された。その詳細フォーマットは省くが、ほぼ10年ぶりの変更は大失敗に終わった。

 タイヤのセット数に限りがあり、Q1~Q3計測時間中に何度もアタックできるはずはなく、スリルなど無いままコース上は静かに。第3戦中国GPから元の予選方法に戻された。他にもトラックリミット解釈をめぐる論議、その取り締まり方法やペナルティなども話題に。またモータースポーツの原点ルールと言うべきイエローフラッグ順守もひと騒動に。

 ダブル・イエローが振られたらそこで最徐行するのはこのスポーツの大原則。いまさら最高峰F1でそれが論議されること自体、いかがなものか。また、審査委員会(4名)のスチュワード裁定も普遍性を欠き、ペナルティ量刑が不公平だと騒がれた。

 ドライバー出身者を交えたメンバーは毎戦変わり、判断基準がどうしても曖昧になる。こうしたルールに関する数々の案件をクリアにしないとスポーツ性が損なわれていく。単純明快でシンプルなルール、公平かつ迅速で分かりやすいジャッジをと、「最近F1を観なくなった」方々からよく言われる。

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