ヨーロッパでは、新たなドライバー移籍のうわさが立ち始める時期のことを『シリーシーズン』と呼ぶ。なぜかというと、結局は実現しない多くのばかげたうわさがしばしば飛び交うからだ。だがそれとは別に、不可能に思えるうわさ以上に予想外のこともある!そうしたことがあったとしても、今年は何かが特別だ。F1が本物のサマーブレイクに入った一方で、その前後数日は来年に向けたニュースと驚きに満ちていたのだ。そしてまだこれからもあるだろう……。
すべてはハンガリーGP前から始まった。セバスチャン・ベッテルが、今シーズン末での引退を発表したのだ。それは半分くらいの驚きしかなかった。ベッテルがF1をもはやそれほど楽しんでいないのは明白だったし、彼の活動は、チームやチャンピオンシップ全体のスポンサーの利益と直接的に衝突するものだったからだ。そうなる可能性はあったのだ。しかしその数日後、アストンマーティンは驚きの行動に出た。2023年のベッテルの後任がフェルナンド・アロンソであることを発表したのだ!
これはまったく予想外というわけではなかったと言わねばならない。スペインではいくつかうわさが流れていた。2度のF1世界チャンピオンであるアロンソは、まだそれほど戦力のないアストンマーティンを来年の行き先として考えているというものだった。だが私が最も興味をそそられたのは、発表のタイミングだった。それはサマーブレイクの直前だった……そして7月31日の直後だった。それはF1では通常は自動更新が有効になるタイミングだ。