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F1 ニュース

投稿日: 2017.02.11 07:03
更新日: 2017.02.13 17:43

【2017年F1ルーキー特集】ランス・ストロールを“ペイドライバー”と侮ってはならない

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F1 | 【2017年F1ルーキー特集】ランス・ストロールを“ペイドライバー”と侮ってはならない

■「ウエットが得意」なのは実力の証

 プレマの関係者によると、マカオGPに参戦できなかったことを誰よりも残念がったのは、本人だったという。しかし、F3で2年間の経験を積むことで、早期にF1デビューを果たしたマックス・フェルスタッペンやエステバン・オコンと同様の準備ができたと、ストロールは考えている。彼は昨年ウイリアムズとのレースドライバー契約が発表される以前に、次のように語っていた。

「チャンスがきたら、つかまなければならない。F1に行ってからも学ばなければならないことはある。100%準備が完了した、完成形のドライバーとしてデビューするわけではないと思っている。僕はまだとても若く、学ぶべきことがたくさんある。だけどダウンフォースが大きいマシンで一発の速さを叩き出し、レースをするという部分では、バトルが少ないこともあるとはいえF3だって相当なレベルにある」

 2016年シーズンのストロールの最も注目すべき点は、どれだけの準備を行ったかよりも、本能に頼らざるを得ない状況におけるパフォーマンスだった。コース上でもシミュレーターでも多くのテストをこなし、エンジニアと開発の力を頼りに、ドライコンディションでポールを獲得したのであれば、資金力による準備が多くの割り合いを占めていたと言える。ところがストロールはポール・リカールの湿ったコースで、桁外れにうまいドライビングを見せた。ポー市街地コースでの水浸しの路面でも、スパでのウエット路面でも、プレマ・ダラーラ・メルセデスのマシンをポールポジションに導いた。こういったコンディションは、準備でどうにかできるものではない。ストロール自身は、マシンへの理解が深まったと語っている。

「ウエットなどの複雑なコンディションが得意だというのが、僕の強みだ。2016年はマシンのことがより理解できるようになり、運転していてもさらなる自信を感じる。どこを走ればいいのか、コーナーをどれだけのスピードで通過するのか、トラクションを失ったり危ない状況に陥らずに、どれだけ早くスロットルを開けられるかが分かる。経験と、マシンにどれだけ乗ったかがものを言うんだ」

「F3は相当に高いレベルにあり、ドライビングも本当に難しい。グリップもダウンフォースも強大で、それらのすべてを生かし切るのは、雨であっても簡単ではない。マシンには大きなポテンシャルとグリップがあるものの、パワーはそれほどでもないので難しい。限界ギリギリで走らなければならないが、やりすぎてもダメだ。時間をかけることが必要だ」

「早い段階でコツをつかんだドライバーもいたけれど、僕が本当に集中していたのは、マシンのポテンシャルを最大限に生かすこと。フェリックス(・ロゼンクビスト/2015年のF3でストロールが教えを受けた)がしていたようにね。2016年の僕は、彼と同じレベルに達したと思っている」

2016年ヨーロピアンF3イモラで優勝したランス・ストロール
2016年ヨーロピアンF3イモラで優勝したランス・ストロール

■F3とF1の違い

 ストロールは2014年仕様のウイリアムズ・メルセデスFW36でテストプログラムをスタートした当初、F3とF1は大きく違うが、じっくり慣れていきたいと語っていた。

「ゆっくり始めている。シルバーストンではシェイクダウンのような感じで20周を走った。それからハンガリーへ行き、1日目に60周、2日目に40周をこなしたんだ。つまり……足を踏み入れたところだよ。走った感触は、とても印象的だった。もちろん2014年のマシンだから、2016年に走っていたものと、まったく同じではない。それに2017年のマシンは、それこそ関係のないものになる」

「当然ながらF3からの、大きなステップアップということになる。ないことではないが、誰もが経験することでもない。さっきも言ったように、F3のマシンは特に中低速コーナーで本当に優れていた。高速コーナーでもスピードを維持できるのだから、機械的にも空力的にも素晴らしい」

「F1はさらに空力が大きいけれど、重量もある。つまり違うものだし、パワーも驚くべきものだ。止めることなんてできないよ! F3は時速260kmが最高で、それ以上はない。でもF1は、ストレートで踏み続ければ最終的には時速400kmにもなるんだ! 本当に素晴らしいよ。コーナーでの速度ときたら、進入したと思ったらすぐに次のコーナーに入っていくことになる。しっかり心構えをしておかなければならない」

「だけどすべての要素は比例する。パワーが上がればグリップも増す。新しいマシンでの、新たなチャレンジにはなるけれど、とても扱いやすい。F4からF3にステップアップした時と同じように、リズムに乗ってマシンを学べば、最終的には限界で乗れるようになる。繰り返しになるが、新しいやり方で新しい経験を積んでいくんだ」


この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています

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