■どこまでが合法なのか?

 FIAに質問状を出すというフェラーリの動きにより、2017年型マシンのサスペンションに関して、メルセデスとレッドブルが何をやろうとしているのかに注目が集まったことは間違いない。とはいえ、その点について本当のところを知っているのは、当の2チームだけだ。

 そして、どこまでが合法なのかについてのFIAとの議論はまだ継続中で、いまのところ明確な結論は出ていない。しかし、少なくともメルセデスは、彼らが2016年に使用したシステムは、FIAの可動空力デバイスに関する解釈に抵触しておらず、最新の技術指令書の影響は受けないと確信しているようだ。

 むしろ、フェラーリによるルール明確化の要求は、レッドブルが2017年に向けて計画していたことに影響を及ぼす可能性の方が高いと思われる。彼らは、昨年までのサスペンションシステムを、さらに発展させようとしているからである。

 実際、この議論がまだ終結していないという事実は、おそらく一部のチームがグレーゾーンの限界を攻めたシステムを考えているために、合意が難航していることを示唆するものだ。

 ある意味において、フェラーリも自ら投じた一石によってジレンマに陥っている。ホワイティングはウインターテストが始まる前に、改めて技術指令書を出す見込みだが、その内容は現時点では明らかになっていない。フェラーリは自分たちの新しいシステムの開発を推し進めるか、開発を中止するか、あるいは開幕戦のオーストラリアGPでライバルチームに対する抗議を提出することも念頭に置いて議論を続けるか、進むべき道を決めなければならない。

 ダブルディフューザーをめぐる論争が起きた2009年の状況を先例として考えると、もしフェラーリがこの最新のサスペンションシステムについて、メルボルンでスチュワードに抗議を提出する姿勢を示せば、心当たりのあるチームは類似のシステムの使用をあきらめる可能性が高い。

 だが、このF1の世界では、ものごとはそれほど単純には片付かない。新レギュレーションに基づいた2017年型マシンの登場を間近に控えて、このサスペンションに関する問題は、今後チーム間で繰り広げられる数多くの小競り合いの第1ラウンドになりそうだ。

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