決勝日もロングビーチは快晴。朝のウォームアップで琢磨は、マシンが予選の時以上に好感触になっていることを知った。予選時にはブラックタイヤ(ハードコンパウンド)でのパフォーマンスに難があったが、その点が改善されたのだった。

 午後2時、摂氏28度という暑さの中で1.968マイルのコースを80周するレースにグリーンフラッグが振り下ろされた。スタートを得意とする琢磨だが、混雑したターン1での無理強いは控え、8番手のポジションをキープした。

 今回はチーム・ペンスキーの4人全員が珍しく新品のレッドタイヤ(ソフトコンパウンド)でスタート。トニー・カナーン(チップ・ガナッシ)もそうしていた。温まりの速いタイヤを使ってでも序盤の順位キープに拘りたかったということだろう。

 琢磨は従来からのセオリー通りであるユーズド・レッドでスタート。予選7番手だったジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)もユーズドレッドでスタート。琢磨は彼の後ろにピタリとつけて1回目のピットストップまでを走った。

 最初の順位変動がここで起きた。AJフォイト・レーシングのクルーたちが迅速かつ確実なピット作業を施し、琢磨をヒンチクリフの前へとピットアウトさせたのだ。

 この先もレースはこう着状態が続いた。琢磨の前を走る6人も大きなポジションの変動のないまま周回を重ねていった。アクシデントがなく、トラブルでストップするマシンもなかったことからフルコースコーションが出ず、ハイペースでレースは進んでいった。燃費のセーブが必要なレース展開となったのだ。

 そんな状況でも敢えてピットタイミングを微妙にずらし、アドバンテージを得ようとトライするチームもあった。琢磨は53周目に2回目のピットストップを行った。最初のスティントより3周ほど引っ張ることができていた。そして、ここではウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の前へと、ひとつポジションを上げてレースに復帰。常にトップレベルのスピードでピット作業を行うペンスキー勢に勝った。これはクルーたちの奮闘が讃えられるべきだろう。

 とうとうフルコースコーションが一度も出されないまま、レースは終盤戦に突入。燃費を常に気にしながらのバトルが熱さを増していった。10回の使用が許されているプッシュトゥパスだが、それらを全部使えたドライバーはいなかったのではないだろうか。

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