更新日: 2016.05.15 06:52
インディカー第4戦:残り5周で再逆転。絶好調のペジナウが2連勝を飾る。琢磨は挽回できず
パワーはゴール目前でニューガーデンにパスを許した。ニューガーデンは今季初の表彰台だ。
今日、衝撃的だったのは、最後尾21番手スタートだったファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)のレースだ。スタート直後の混乱をスルスルと潜り抜け、1回目のピットストップを早めに行う作戦でコースの空いたところにレッドタイヤで出て一気にペースアップ。トップ10入りでも喜べるレースのはずだったが、5位でゴールしてみせ、ポイントダメージを最小限に抑えたのだった。
レイホールの2位によりシボレーの3戦連続表彰台独占は阻まれた。しかし、ホンダ勢の苦戦は続いており、今回レイホール以外でトップ10入りできたのはジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だけだった。彼は8番手スタートから6位でゴールした。
「最後のバトルはエキサイティングだった。ファンが楽しんでくれたことと思う。今日のレースではトラフィックの処理が鍵を握っていた。デイリーは速く、ラップタイムの差は0.8秒ぐらいしかなかったと思う。それぐらいの差では、抜くのはほとんど不可能」
「そうこうしているうちにレイホールに追いつかれ、強引なアタックをされ、接触してコースを外れ、トップを奪われた。あの時の彼のアタックは、仕掛けるタイミングが遅かった。パスが不可能なコーナーでのアタックでもあった。2番手に落ちてアタマにきた僕は、“絶対に抜き返してやる!”と言い聞かせた。そして、その通りにトップを奪い返した。2戦連続優勝とは本当に素晴らしい結果。これもチームのおかげだ。そして、次は僕が大好きなインディアナポリスのロードコースだ」とペジナウは喜んでいた。
レイホールは全力を出し切っての戦いに満足気だったが、悔しさもにじませていた。今シーズン初の表彰台で彼は、「勝てていたレースだった。トップを奪い返されたのが悔しいね。あのままゴールまでいけると思ってたから……」とレースを振り返った。
「ホークスワースにぶつかったのは自分のミス。瞬間的な判断を誤った。彼はターン5でアウト側にいった。あのままアウトにいてくれるんだと思ったんだが、彼はコースの反対側へとラインを変えた。あの接触がなかったら……。きっと、これから後悔すると思う。2位フィニッシュは悪くない結果。ホンダも僕らも全力で実力アップを目指してきており、それが着々と実現されている、と今日のレースでは感じた」とも彼は話した。
佐藤琢磨(AJフォイト)は予選16位から決勝は13位でゴールした。最初のスタートで目の前、左側のカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)がミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)に追突。アレシンのマシンはスピンしてホークスワースを押し出すことに。この混乱で彼ら3人は最後尾まで後退したが、その後のスタート直後、ターン2でアウトにラインを採った琢磨は、汚れた路面に足を掬われてコースを外れ、今度は彼が最後尾へ。
ターン5でスピンをさせられたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)こそパスでき、その後も好ペースで走り続けた。しかし、結局は最初に大きく順位を落としたことが響き、13番手までの挽回が精一杯となった。
Report by Masahiko Amano / Amano e Associati