このままルクレールの圧勝に終わるかに思われたが、レースのハイライトは終盤に訪れた。32周目、7番手争いからじりじりと順位を落とし、9番手争いを展開していた松下のマシンと、サンティノ・フェルッチ(トライデント)のマシンが接触したのだ。

 9番手走行中の松下はニック・デ・ブリース(レーシング・エンジニアリング)、フェルッチに背後にぴたりとつかれていた。32周目、まずメインストレートでデ・ブリースが松下を交わす。

 さらにフェルッチも1コーナーで松下のアウト側からオーバーテイクを試み、マシンをイン側に寄せたそのとき、松下のマシンの左フロントタイヤとフェルッチのマシンの右リヤタイヤが接触。フェルッチのマシンは一瞬浮き上がり、弾き飛ばされる形で1コーナーアウト側のグラベルにコースアウトしてしまう。

 このアクシデントにより、セーフティカーが導入。松下はフロントウイングを破損したようでピットインし交換、同時にフロントタイヤを左右2本とも交換した。これによって、松下は18番手にまでポジションを落とすことになった。

 36周目、セーフティカーランが解除される。これまで築いていたアドバンテージがゼロになった形でリスタートとなったルクレールだが、2度目も抜群のスタートを切ると、あっという間に2番手のローランドに1.3秒もの差をつけた。しかし残り3週、このままルクレールが逃げ切るかと思われたが、意外にもその差が広がらない。

 むしろ2番手以下のローランド、アントニオ・フォコ(プレマ)、ニコラス・ラティフィ(DAMS)、ギオットらと集団を形成する形となり、テール・トゥ・ノーズのまま最終ラップへ。ルクレールはトップの座を譲り渡すことはなかったものの2番手以下は激しいオーバーテイク合戦が繰り広げられ、実に6台がワンパックとなってフィニッシュラインを迎えることになった。

シャルル・ルクレール
終盤の熱戦を制して優勝、チャンピオンを獲得したルクレール

 最後の最後に白熱したレースを制したのはルクレール。ルクレールはこの優勝により、残り3レースを残してチャンピオンに輝いた。ポールポジション8度獲得、6勝を挙げてのタイトル獲得だった。また、終盤の接触により順位を落とした松下は18位でレースを終えている。

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