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海外レース他 ニュース

投稿日: 2016.07.12 11:02
更新日: 2016.07.12 11:53

琢磨、苦戦のショートオーバルでチームの成長を感じる

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海外レース他 | 琢磨、苦戦のショートオーバルでチームの成長を感じる

 決勝日のアイオワ州ニュートンは強烈な集中豪雨に見舞われた。午前10時から1時間以上に渡って大量の雨が降った。しかし、テキサスの悪夢は再現されずに済んだ。雨が止むとコースは本当に短時間で乾いていき、インディライツのレースが行われた。インディカーはファイナルプラクティスを土曜の夕方に行っており、そのスケジューリングが大正解だった。

 ハイバンクのショートトラックでは、ごく小さなセッティングの違いが大きな差となって返って来る。琢磨の戦いはレース前半が苦しいものとなっていた。

「タイヤの内圧がコンディションに合っていなかった。それは本当に難しいもので、自分たちが合わせることができたのは最後の2スティントのみだった」と語った。苦しみはしたが、チームとしてはこれまでにない戦いぶりを発揮できた。今シーズンのAJフォイト・レーシングは、苦手としてきたコースでこれまでより良いパフォーマンスを見せている。アイオワもそうなった。琢磨が得たリザルトは11位。2013年にチーム入りして以来、アイオワでのベストリザルトとなった(チームとしてのベストは、アイオワ開催初年度=2007年のダレン・マニングによる5位)。
 
 フォイト・チームは作戦力向上が課題で、今回もピットタイミングが1周遅くなったことでポジションを幾つかロスするシーンがあった。しかし、終盤のピットタイミングを遅らせる作戦で琢磨はポジションを挽回。11位に浮上した彼はその順位を保ったままゴールまでのファイナルスティントを走り抜いた。

 アイオワはフォイト入りしてからの琢磨が苦しんできたコースだ。デビュー2年目のKVレーシング時代にはキャリア初のポールポジションを獲得したコースだが、フォイトで走るようになった2013年からは予選は15位以下、決勝も23位、22位、19位と芳しくなかった。

 しかし、今年は予選、決勝ともにあと少しでトップ10入りが可能となっていた。

インディカー第11戦アイオワ/佐藤琢磨
インディカー第11戦アイオワ/佐藤琢磨

「今年はレース直前の週にテストを行うことができ、その成果が現れてチームとして進歩を遂げることができていました。今回の僕らはこれまでとは異なるフィロソフィのセッティングを試し、これまでより好い成績を残すことができたんです。チームが成長できということです」

「絶対的なスピードの向上が必要ですが、今日はとても安定した走りができていて、スティントの終盤に強いマシンになっていました」と琢磨は語った。

 空力での不利がホンダ勢には存在するようで、シボレーと同じダウンフォースを得ようとするとドラッグが増えてしまい、トップスピードに明確な違いが出ていた。レースはジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)がスタート直後の1周目にポールシッターだったペジナウをパスしてトップに躍り出ると300周のうちの282周でトップを走り、ペンスキーとガナッシ勢をもってしても何ら対抗できない速さを見せつけて優勝した。ホンダ勢のトップは予選9位からトップ・グループに粘り強く残り続けたミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)による5位。琢磨はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が6位、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)の9位に続くホンダ勢4位だった。


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