全長2.5マイルのトライアングルオーバルにおける琢磨のパフォーマンスは、過去3年間ずっといい。2013年は予選8位、2014年は予選4位、2015年は決勝6位。そして、ここでの事前のテストに琢磨たちは参加した。

 オーバルはもう1戦ある。70周が終えられているテキサスだ。すでに1周のラップダウンになっている点は痛いものの、レース再開時には前回と異なるセッティングをトライできるため、“一気にスピードアップ”というケースが期待できないわけではない。そうできれば1ラップのビハインドを帳消しにすることは十分に可能だ。

 ピット作業の確実性とスピードのアップ、エンジニア増員によるエンジニアリング体制の強化など、AJフォイト・レーシングはチームの総合力アップを目指して改革を進めてきている。

 強豪は更に強さを増し、中・小規模のライバル・チームも著しい進歩を遂げているため、相対的パフォーマンスが思うように向上していかない。インディカー史上で最も競争が熾烈な時代である今、コンスタントに上位で戦い、勝利を掴むのは簡単ではないだろう。

インディカー・シリーズ/佐藤琢磨
インディカー・シリーズ/佐藤琢磨

 残りの4レース、琢磨がどんな走りを披露するのか。唯一、アメリカンオープンホイールの最高峰に挑むサムライの勇姿に注目してほしい。

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