続くレース2は波乱続出の展開となり、コースに潜んでいた罠が番狂わせを演出。スタートではセカンドロウ4番手のアンドレアス・アールベルグ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が正真正銘のロケットスタートを決め1コーナーで首位浮上を果たすと、その背後にはモーリン、ブリンク、ウェルナーソンのブリンク・アウディ艦隊が追随。

 さらにその後方では、こちらも地元勢のマッドブル・レーシングのキム・ルンド(セアト・クプラTCR DSG)がコチュリンスキーを仕留めるべくインサイドにダイブすると、その縁石内側に溜まった水溜りに足をすくわれ、彼女のドライブするセアトの鼻先をかすめて、アウトサイドにいたインサイト・レーシング、マーティン・ジェンセンのアルファロメオ・ジュリエッタTCRに激しく衝突。2台は大破し自走不能となり、これでいきなりのセーフティカー(SC)導入となる。

 リスタート後は5番手ウェルナーソンのアウディが右フロントタイヤの異変で後退し始め、代わって中団ではダールグレンが10周目にエルガードをかわして4番手に上がってくる。

 この2台はその後もコース全域でテール・トゥ・ノーズのバトルを展開すると、3番手モーリンのアウディを含めた三つ巴の争いに発展。すると、ファイナルラップを目前にしてまたも悲劇が起こる。

 ダールグレンのミスに乗じて4番手を取り戻したエルガードは、その勢いのままに1コーナーに向け3番手浮上を狙いモーリンのインサイドにダイブするも、そこにはオープニングラップでルンドらを葬ったウォーターハザードが依然として口を開けて待っており、コントロールを失ったシビックはモーリンのアウディを道連れにコースオフ。

 奇しくも、地元デンマーク勢としてコース特性をもっとも良く把握しているはずのふたりには、このアクションによりレース後リザルト除外処分が言い渡され、VWのアールベルグが後方の混乱に乗じてコンマ8秒差でシーズン2度目のトップチェッカー。ブリンク、ダールグレンの王座争い当事者たちが表彰台を分ける結果となった。

 これでポディウムを拾ったダールグレンは221点で首位を独走し、21点差でブリンク、その10点後方にアールベルグ。そしてランキング4位のウェルナーソンにまでタイトルの可能性が残されたまま、10月4~5日のスウェーデン・マントープパークでタイトル決定の最終戦を迎える。

R2で主導権を握ったアンドレアス・アールベルグが、2019年シーズン2勝目を飾った
R1で6位、R2で5位のミカエラ-アーリン・コチュリンスキーは「予選セットでも学びがあった」

R2はアクシデントも絡み、タイトル争いの当事者が表彰台の脇を固めた

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