2日目はシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)が最速ラップとなる52秒113を記録した。前日のハータによるベストは51秒851だったから、0.279秒も遅かった。通常なら、2日目はタイヤラバーがより乗ったコンディションなので速いタイムが出される可能性が高い。しかし、今回は2日目に強い風が吹き続け、マシンから安定感を奪っていた。

 2番手はパジェノーのチームメイトであるエリオ・カストロネベスが出した52秒194。このベテランコンビには今シーズン、おおいに注目した方が良さそうだ。

メイヤー・シャンク・レーシングから参戦するエリオ・カストロネベスとシモン・パジェノー
メイヤー・シャンク・レーシングから参戦するエリオ・カストロネベスとシモン・パジェノー

「最後の走りはとても楽しかった。涼しくなってグリップが高くなっていた。最速ラップをマークできて嬉しい。チームを移籍し、新しいエンジニアとコンビを組んでいるが、考えていた以上にスムーズに仕事を進めて来ることができている」

「テストではタイムだけを追及しているわけではないが、どんな時だって速く走れた時は嬉しい。しかも、今日は多くの項目をテストしてたくさんの成果を得ることもできた。すばらしい1日になった」とパジェノーは語った。

 3番手はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)で、2日目もホンダ勢が1-2-3だった。シボレーのトップはリナス・ビーケイ(エド・カーペンター・レーシング)の4番手。その次がルーキーのカークウッド。昨年のインディ・ライツチャンピオンは、プッシュ・トゥ・パスを使わずに5番手に食い込んだ。

 昨年度チャンピオンのパロウは52秒377、6度のタイトル獲得を誇るディクソンは52秒422のベストで6番手と8番手だった。目立たない結果だったが、データ収集は十分にできたであろう彼らは、開幕までにさらに一歩マシンを向上させてくるだろう。

ディフェンディングチャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)
ディフェンディングチャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)

 佐藤琢磨は今年からデイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングで戦うが、これが2022年シーズン向けの初めての、そして開幕前では最後のテストだった。

 たった1日で開幕……というのはなかなか厳しいが、パジェノーのように4日間あるうちの2日間をセブリングでのテスト=ストリート向けテストに投入する案は採用しなかった。残りの3日間を他のコースで使おうという考え方だ。

 DCRのマシンを理解し、エンジニアとのコミュニケーションを深め、マシンセッティングを向上させる。それらが今回のテストでの琢磨の掲げた課題で、それらはほぼすべてが達成された。

 琢磨は担当エンジニアとなったドン・ブリッカーについて、「データエンジニアを務めていたこともあり、データを見る力がある。そこは自分と合うところ」と話した。

 初走行でのベストのラップは14人中の11番手に終わったが、琢磨はDCRのマシンの良さを確認し、エンジニアの能力を高く評価していた。そして、熱意を持って確かな仕事をするクルーたちにも好感触を持った。

51号車を駆る佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)
51号車を駆る佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)

「昨日のうちからクルーたちが一生懸命に用意をしてくれた。朝は電気系のトラブルが少し出たものの、昼間のいちばん暑いコンディションではトップ3のタイムを出せていたし、ユーズドのタイヤでも安定して良いタイムを出し続けることもできていた。それはポジティブな点」

「しかし、最後の方は、涼しくなっていたのに何かスピードが伸びない状態に陥ってしまった。セブリングでのテストはコンディションが1日の中で大きく変化する。そればっかりを追いかけても仕方がない」

「いかなるコンディションでも速い……というようにセッティングを合わせ込み切れなかったのは残念だけれど、今日の自分たちはいくつか良いセッティングの材料を見つけることができた。それらをセントピーターズバーグの開幕戦までにまとめ上げていきたい」と手応えを感じている様子だった。

スーパーフォーミュラに参戦していたタチアナ・カルデロン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)
スーパーフォーミュラに参戦していたタチアナ・カルデロン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)

■セブリングテスト2日目/非公式結果

Pos. Driver Team Time
1 シモン・パジェノー メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ 52.113
2 エリオ・カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ 52.194
3 マーカス・エリクソン チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ 52.210
4 リナス・ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング/シボレー 52.269
5 カイル・カークウッド(R) AJ・フォイト・エンタープライゼス/シボレー 52.338
6 アレックス・パロウ チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ 52.377
7 コナー・デイリー エド・カーペンター・レーシング/シボレー 52.414
8 スコット・ディクソン チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ 52.422
9 カルーム・アイロット フンコス・ホリンガー・レーシング/シボレー 52.529
10 デイビッド・マルーカス デイル・コイン・レーシング・ウィズHMDモータースポーツ 52.723
11 佐藤琢磨 デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR 52.802
12 ジミー・ジョンソン チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ 52.947
13 ダルトン・ケレット AJ・フォイト・エンタープライゼス/シボレー 53.025
14 タチアナ・カルデロン AJ・フォイト・エンタープライゼス/シボレー 53.047

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