迎えた予選Q1ではTOYOTA GAZOO Racingブラジルのワークスカラーを採用するロッシの117号車が首位に立つも、ポールポジションを決めるQ3では「ライバル陣営にクリーンエアを与えたくない」という心理でコース上が混み合うなか、アルゼンチンのスターはセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)とまさかの接触を喫し、ペナルティを含め失意の6番グリッド止まりとなってしまう。
この結果、最後の最後でセルジオ・ヒメネス(スクーデリア・キアルリ/トヨタ・カローラ)を逆転した38歳のセラが、キャリア通算13度目のポールを獲得。混戦のなかチャンスを確実にモノにする王者の貫禄を披露した。
「クレイジーでエキサイティングな予選だったね。誰もが相手にクリアな空間を与えたくなかったし、誰もが(スリップを活用されることを嫌い)1列に並ばないようゆっくり走行していた。だからチャンスは最後の1ラップだった」と、全34台中29台が秒差圏内のセッションを振り返ったセラ。
「その瞬間のクルマはとてもよく振る舞ってくれたし、すべてうまくいったことをうれしく思う。明日は1台のクルマが別のクルマを引っ張るという厳しいレースになるだろうね」
明けた日曜、特設スタンドを埋める大観衆の前で始まったオープニングヒートは、ホームストレートエンドで“7ワイド”の攻防が繰り広げられるなか、その“熱狂の主人公”たるセラが実質的にレース全域を支配し、盤石のポール・トゥ・ウインを達成。
背後では「荒れた路面はお手のもの」とばかりに、スーパーTC2000(STC2000)4冠の実力を発揮したロッシが2位まで挽回してフィニッシュラインを超え、土曜以来のスピードがフロックでないことを証明。表彰台最後のスポットにはマウリシオが入り、ユーロファーマ陣営のダブル・ポディウム獲得に貢献する結果となった。
一方、今季初の表彰台獲得を目指しフロントロウ2番手発進を切っていたヒメネスのカローラは、超高速コーナーの”クルバ・ペトロポリス”で、ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)とベト・モンテイロ(スクーデリア・キアルリ/トヨタ・カローラ)のアクシデントに巻き込まれ、敢えなく終戦となってしまった。


