そのリヤ駆動キットには800Vの高電圧を利用する45kWhのリチウムイオンバッテリーの搭載が予定され、サプライヤーには元WRCドライバーのマンフレッド・ストール率いる技術企業STARD(ストール・アドバンスド・リサーチ・アンド・デベロップメント)が指名されていた。
「遅延のためシーズンを9月に短縮する以外に選択肢はなかった。難しい決断を迫られるのはツラいことだが、しかし我々はEPWR、チーム、パートナー、主催者、そしてスウェーデンモータースポーツ連盟らと協議し、この歴史的な変化に必要な準備とテストを確実に実施できるよう、これを行っていくつもりだ」と続けたベルンCEO。
「2023年シーズンは当初の計画どおりにはいかないだろうが、我々は最善の方法で状況を解決するため24時間体制で取り組んでいる。この事態に対する理解と支援を表明してくれた前出の面々に、多大な感謝の意を表したいと思う」
この遅延により8月までSTCCの新世代EV車両の完成を待つことになったシリーズは、9月の1カ月間で全3戦の短期集中決戦を強いられることに。また、バッテリーサプライヤーであるSTARD社は必要な部品を納入するために、納入業者の変更を余儀なくされている。
「残念ながら、バッテリーシステムの重要な要素を担当する戦略的に重要なサプライヤーの1社が、当社に対する契約を履行できず、結果的に違反した状態になった」と説明するのは、STARDの最高経営責任者であるマイケル・サコウィックCEO。
「このためサプライヤーを変更して新しい計画を立てる必要が生じており、残念ながら当初の計画どおり完全なシステムを提供できないことになりそうだ。発生した状況を遺憾に思うとともに、遅延の影響をできる限り軽減するべく、EPWRおよびSTCCと全面的に協力していくつもりだ」