アウディは、今シーズン走らせているLMP1マシン「R18 e-トロン・クワトロ」に、ブロウン・ディフューザーを採用していることを認めた。
アウディ・スポーツのLMPプロジェクト統括リーダー、クリストファー・ラインケは、R18 e-トロン・クワトロのV6ディーゼルターボエンジンの排気が、空力的なアドバンテージを目的にマシン下部に排出されていると認めた。
ラインケは、2012年を前に禁止されたF1システムのブロウン・ディフューザーと同じタイプのものかどうかを尋ねられると、次のようにコメントした。
「必ずしも同じ原理ではない。しかし我々は排気ガスの空力利用を目的にそのエリアを開発をしてきた。我々のマシンにとっては明らかに機能的だ。そうでなければ、このシステムを使用したりはしないだろう」
アウディのブロウン・ディフューザーは、F1のシステムと全く異なるものだと考えられている。
ターボエンジンの排気エネルギーは、通常のエンジンに比べて非常に小さいため、彼らはライバルエンジニアが“バーチャルスカート”と呼んでいるものを利用し、マシン下部およびディフューザーへの気流を増幅しているとみられている。
一方、トヨタのテクニカルのディレクターであるパスカル・バスロンは、冬の間にTS030ハイブリッドでブロウン・ディフューザーを試したが、システムの導入を見送ることにしたと語っている。
「昨シーズン以来、このシステムを何度もテストしている。しかし、我々はどうやら異なる結論に達した」
バスロンは、トヨタがブロウン・ディフューザーを導入しないことを決めた理由のひとつとして、排気ガスの熱がタイヤに与える影響を考慮したと語っている。