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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.06.12 00:00
更新日: 2018.02.15 13:36

【アウディジャパン】アウディR15 TDIが、フロントロー獲得でルマンデビューを飾る


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アウディR15 TDIが、フロントロー獲得でルマンデビューを飾る

Jun 12, 2009
【ルマン24時間耐久レース予選(フランス)】

● アラン・マクニッシュが、予選2番手を獲得
● 3台のR15 TDIすべてが4 列目までに集結
● アウディスポーツ チームヨーストは、予選時間を決勝準備に費やす

今年で77回目を迎えるフランスの伝統あるルマン24時間耐久レースが、土曜日の午後3時にスタートします。3台のアウディR15 TDIのうち1台はフロントローからスタートします。

水曜日のフリープラクティスが雨に見舞われたことを受けて、アウディチームは木曜日夕方の予選セッションの大半を、マシンのセットアップとタイヤテストに費やしました。4時間におよぶセッションの間、昨年の優勝ドライバーであるリナルド・カペロ(イタリア)、トム・クリステンセン(デンマーク)、アラン・マクニッシュ(スコットランド)は、ゼッケン1号車を駆って同一タイヤでの4スティント走行をこなし、ミシュランタイヤの耐久性を確認するなど、決勝レースで重要となるデータを収集しました。

予選の最初のセッションが終了する間際になり、ようやくアラン・マクニッシュがフレッシュタイヤを履いてコースインすることが出来ました。その直後に、彼は3分23.650秒という、他のマシンのほとんどが2回目の予選セッションでも破ることが出来なかったタイムを記録しました。唯一、フレッシュタイヤでのアタックを何度か繰り返したプジョーを駆るステファン・サラザンだけが、2回目の予選終了12分前にマクニッシュのタイムをわずか0.762秒上回るタイムを記録しました。

「我々にとって今日は、レース本番用のセットアップを確定することと、ルマンのコースを新型車で実走した上で出来る限り多くのデータを収集する日でした。24時間レースでは、予選結果は必ずしもレース結果に結びつくわけではありません。アラン・マクニッシュがセットアッププログラムを消化するなかで、自然にフロントローの位置を獲得したことは、R15 TDIのもつ潜在能力が高いことの現れです」と、アウディモータースポーツの責任者ヴォルフガング・ウルリッヒはコメントしています。

ルーカス・ルール、マイク・ロッケンフェラー、マルコ・ヴェルナー組も、予選アタックは1回しか行いませんでした。にも関わらず、真夜中に近い頃にマルコ・ヴェルナーが3分25.780秒によって、ゼッケン2号車を予選6番手の位置に導きました。

彼ら3人のドイツ人ドライバー達は、最初のセッションでは、それぞれ異なったエアロダイナミクスの効果を調べるメニューを担当しました。その為に彼らが駆るマシンには特殊データ収集用具を装着したサスペンションが取り付けられており、彼らは2回の予選セッションの間のスケジュールを変更せざるを得ませんでした。予選のインターバルが60分から35分に短縮されてしまったこともあり、ルール、ロッケンフェラー、ヴェルナーは予選アタックを最後の方で短時間しか出来ませんでした。ターボチャージャーを交換したことも、より一層の時間の消費を招いていました。
ドイツ人のティモ・ベルンハルトと2人のフランス人ロメイン・デュマとアレクサンドレ・プレマが駆る3台目のマシンは、予選アタックの機会はありませんでした。タイヤテストの実施に集中していた彼らは、レース本番を7番手グリッドからスタートします。アレクサンドレ・プレマが、予選開始直後に3分27.106秒を叩き出していたからです。

予選上位10台のタイム差はおおよそ5秒しかありません。このタイム差は、昨年の最速のプジョーと同じく最速のアウディのタイム差に匹敵します。今年は、1周13.629kmのコースを走っても、その差が1秒に満たないということになります。

2台のアウディR10 TDIは、プライベーターのコルスチームによって運用され、13番手と14番手を獲得しました。

今週末アウディは、自身9回目の総合優勝獲得を目指し、フェラーリが持つ優勝記録を塗り替えるかも知れません。

【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
今日の我々は、ラップタイム向上にはまったく関心がなかった。その替わりに、メカニック達にとっては非常にキツイ1日だったと思う。2回の予選のインターバルの間に、我々はレースでの使用を検討していたすべてのパーツをマシンに取り付けてテストを実施し、さらに細かい調整を行っていた。これらの作業には多くの時間を必要とした。しかしそのおかげで、我々は充分な距離をスリックタイヤで走行することが出来たし、それによってレース本番への準備を存分に行えることになった。予選向けのアタックをしなかったにも関わらずポールポジションに肉薄するタイムを記録出来たことは、非常に好調な証だと考えている

リナルド・カペロ (アウディR15 TDI #1)
集まってくれているレースファンには、今回の予選と同様にエキサイティングなレース本番をぜひ楽しんで欲しい。ポールポジションを取れなかったことは今でも悔やしい。どのタイヤやセットアップで各車が走っていたのかが分からない予選セッションの中で、各車の実力の違いを見極めることは難しかった。レース本番前に多くの作業を行わなければならなかったし、自分のマシンについてはまだ満足していないけれども、エンジニアやメカニック達が信頼できることを知っている。

トム・クリステンセン (アウディR15 TDI #1)
実はもう何周か多く走らせて貰いたかった。でもエンジニアは、私にはルマン出場の多くの経験があるのだから、もっと基本的な事に集中すべきだと言った。なので、予選セッション終了に向けての時間、私は非常に有効なデータを多数収集できる、中古タイヤでの4回目のスティントの運転を担当した。我々は、タイムを落とすことなく1セットのタイヤでなるべく長く走れるマシンセッティングを探しだす事に集中した。予選アタックは、わずか1回のチャンスしかなかったが、アラン・マクニッシュが最初の予選終了間際にほんの僅かの燃料だけを入れたアタックで、この機会を最大限に有効活用してくれた。

アラン・マクニッシュ (アウディR15 TDI #1)
非常に高いパフォーマンスのマシンを得たことに、喜ばなくてはいけない。昨日はコロコロと変わる天候に見舞われ、そのせいで今日の4時間の予選セッションの中でたくさんのテスト作業を行わなければならなくなった。我々は、タイヤの性能評価と、路面コンディションの変化に関するデータを収集したかったと同時に、マシンのセットアップも行った。セッション終盤でのサラザンとのバトルは楽しかった。いいレースを展開出来ると思う。我々には、まだマシンの性能を向上させる余地が残されている。他のR15 TDIのクルーが収集したデータも合わせて検討することで、土曜日のスタート時にはマシンを完全に仕上げることが出来るだろう。

ラルフ・ユットナー (アウディスポーツ チームヨースト テクニカルディレクター)
今日の我々は、通常ならテストデイで実施してフリープラクティスの時には完了させるはずの作業を、予選セッションの中で行っていた。中でもタイヤのデータ収集に重点を置いていたので、多くのロングランを行った。予選1回目でのラップタイムは、我々にとってあまり重要な意味を持っていない。にも関わらず、アラン(マクニッシュ)は素晴らしいタイムを記録してくれた。もちろん我々は、そのタイムが我々の行ってきたことの結果だということを承知している。我々はレーススタートまでに着実な準備を行うことに集中することを続け、レースで良い結果を得られると思う。

【ルマン24時間レース スターティンググリッド】
1. サラザン/モンタニー/ブルデ\t(プジョー)\t3分22.888秒
2. カペロ/クリステンセン/マクニッシュ\t(アウディR15 TDI)\t+0.762秒
3. ミナシアン/ラミー/クリエン\t(プジョー)\t+1.972秒
4. ブイヨン/パゲノー/トレルイエ\t(プジョー)\t+2.174秒
ジェネ/ヴルツ/ブラバム\t(プジョー)\t+2.364秒
6. ルール/ロッケンフェラー/ヴェルナー\t(アウディR15 TDI)\t+2.892秒
7. ベルンハルト/デュマ/プレマ\t(アウディR15 TDI)\t+4.218秒
チャロウズ/エンゲ/ミュッケ\t(アストンマーチン)\t+4.292秒
デビッドソン/ターナー/フェルスタッペン\t(アストンマーチン)\t+4.816秒
ベリッチ/ジャニ/プロスト\t(アストンマーチン)\t+5.246秒
・・・
13. アルバース/バッカード/モンディーニ\t(アウディR10 TDI)\t+8.304秒
14. カーティケヤン/ロッテラー/ツウォルスマン\t(アウディR10 TDI)\t+8.660秒


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