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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.09.15 00:00
更新日: 2018.02.15 15:17

【ポルシェジャパン】LMS:ポルシェのワークスドライバーがドライバー部門のタイトルを獲得


ル・マン・シリーズ第5戦:イギリス、シルバーストーン

LMS:ポルシェのワークスドライバーがドライバー部門のタイトルを獲得

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)のワークスドライバーであるマルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組が、ドラマチックな展開となったル・マン・シリーズの最終戦でポルシェにGT2クラス ドライバー部門のタイトルをもたらしました。
9ポイントという大きなポイント差をもって迎えたシルバーストーンで、フェルベマイヤープロトンチーム(ドイツ)の911 GT3 RSRをドライブするマルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組はポールポジションからスタートしました。波乱含みの展開となったレースでしたが、最終的には7位でフィニッシュし、GT2クラスのドライバーズ部門のタイトルを獲得しました。同じくワークスドライバーのパトリック・ピレ/ライモン・ナラ組(ともにフランス、IMSAパフォーマンスMatmutチーム)も3位に入賞し、ポルシェの成功を締め括りました。

ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるウーヴェ・ブレッテルは「フェルベマイヤーのシーズンを通してのすばらしい活躍に対して賛辞を贈りたいと思います。チーム監督のクリスティアン・レイドの下、プロフェッショナリズムと情熱に溢れるこのチームは、ル・マン・シリーズでの初優勝という結果に十分値するチームです。来シーズンも、ともに戦うのを楽しみにしています」と話しています。
GT2クラスの新チャンピオンとなったマルク・リーブは「今日は最後まで気が抜けないレースでした。でも今はタイトルを獲得できて本当に嬉しい。今シーズン、911 GT3 RSRとミシュランタイヤという最高のパッケージでレースに臨むことができました。これは、5レース中3回のポールポジションと3回の優勝という私達の実績が証明しています」と率直に認めています。同じくGT2クラスのチャンピオンとなったリーツは「私達の大きな勝因は、チームによる完璧なピットワークでした」とコメントしています。

リーツは、スタートに失敗し6位に後退します。「タイトル獲得には1ポイント取ればよかったので、私は安全策をとりました」。スタート後1時間を経過した頃からが本当のドラマの始まりでした。優勝候補の911 GT3 RSRのエンジンがミスファイアを起こし始めたのです。リーブは「これまで、このようなトラブルは出たことがありませんでした」と話しています。2回の長いピットストップの結果、イグニッションコイル交換には時間がかかりすぎるため、そのままレースを続けるという決定が下されました。リーブは「私達は12位まで順位を下げ、トップグループについていくことができませんでした。また燃費に優れる911 GT3 RSRですが、トラブルのためその利点も活かせませんでした」と説明しています。「私達はかなり不安でした。フランスのポルシェ チームがコースアウトし、タイトルを争う最大のライバル達にリードを許したときは、さらに不安が増しました」。さらにリーツは「しかし、チーム全員が最後まで戦い抜く、チャンスを最大限に広げるためにできることは全てする、と口々に言っていました」と付け加えています。レース終盤、リーツ/リーブ組は順位を8位まで上げ、最終的には7位でレースを終えています。リーツは「私個人にとって、このタイトルは大きな意味を持っています。またチームの努力が実を結んだこと、911がクラス最強のポテンシャルをもっていることを実証できたことも嬉しく思っています」とほっとした様子でコメントを残しています。

マルク・リーブにとっては、2005年、2006年に続きル・マン・シリーズにおける3回目のGT2クラスでのタイトル獲得となりました。ドイツ人のリーブは10年前にポルシェ ジュニアチームからレーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせ、現在ではポルシェ ワークスチームでも最高のドライバーのひとりとして認められています。完璧主義者でもあるリーブの正確で緻密な仕事は、911 GT3 RSRの継続的な開発にも大いに貢献しています。2005年のル・マン24時間レースおよび2008年のセブリングにおけるクラス優勝に加え、スパ・フランコルシャンにおいてはGTポルシェで総合優勝を果たすなど、世界の全てのクラシック耐久レースのタイトルを獲得しています。またこの3年間、29歳のリーブは得意としているニュルブルクリンクの北コースで開催された24時間レースの優勝メンバーにも名を連ねています。さらにレース活動を行う一方、エンジニアとしての勉強も続け、今年卒業しています。リーブには妻と4歳になる息子がいます。

リーブのチームメイトであるリヒャルト・リーツ(25歳)は2007年からポルシェのワークスドライバーとして活躍していますが、ここ6年は911でレース活動を行っています。自らラリーファンと公言するリーツは2004年シーズンにポルシェ カレラカップ ドイツに初参戦、すぐに4位に入ります。その後、国内外のポルシェ カップシリーズで好成績を収めています。激しい争いが展開された2006年のスーパーカップシリーズにおいて2位という成績が認められ、ポルシェのワークスドライバーとなりました。リーツはインターナショナルGTチャンピオンシップでタイトルを獲得、さらに2007年ル・マン24時間レースでもGT2クラス優勝を達成し、期待に応えています。今年はシーズンの滑り出しをデイトナ24時間レースの優勝で飾っています。

フランスのIMSAパフォーマンスMatmutチームは、シーズンを複雑な心境で終えています。ワークスドライバーであるパトリック・ピレは3番手ポジションからスタート、1周目にはすでにGT2クラスのトップに躍り出て、周回毎に着実にリードを広げていきました。レースが1/3を終了した時点でライモン・ナラにステアリングが渡された後も順調にリードをキープしていました。しかし、よりスポーツプロトタイプのドライバーが状況判断を誤り、ポルシェに接触したのです。これによりナラはグラベルにコースアウトし、レースに復帰したときには4位まで順位を下げてしまい、結局3位でレースを終えています。ピレはレース後、「今日こそはチーム初勝利を飾れると思っていたのですが、アルガルヴェとニュルブルクリンク同様、今回も他チームによって勝つことができませんでした」と不満をあらわにしています。「それでも、3位に入賞し、今シーズンの表彰台に上がる回数を増やせたことについては嬉しく感じていますし、もちろん、ポルシェの仲間がチャンピオンに輝いたことを皆とても喜んでいます」。

クリスティアン・レイド(ドイツ)/ホースト・フェルベマイヤーJr.(オーストリア)/フランシスコ・クルス・マルティンス(ポルトガル)組がドライブするフェルベマイヤーチームが投入した2台目の911 GT3 RSRは8位に入賞し、1ポイントを獲得しています。英国のポルシェ チームであるワット・オートモーティブのマルクス・パルッタラ(フィンランド)/ポール・ダニエルス(イギリス)/マーティン・リッチ(イギリス)組は、GT2クラス、9位に入っています。


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