2014年もあと残りわずか。F1界もしばし静かな今、小林可夢偉選手の1年を振り返り、注目を集めた話題をご紹介したいと思います。

 すでに「2014年F1 10大ニュース」(可夢偉選手関連以外のニュース)はご紹介しましたが、ここでは2014年1月1日から12月27日までにオートスポーツwebに掲載した記事のうち、皆さまのアクセスを数多く集めた可夢偉選手関連の話題をピックアップいたしました。

 注目のトピックを大きく5つに分けて、5位から1位までカウントダウン、関連記事と共にご紹介していきます。

※可夢偉選手関連以外の2014年F1 10大ニュースは以下でご覧ください。
●F1 10大ニュース(1位~5位):“醜さ”に衝撃?
●F1 10大ニュース(6位~10位):ストーブリーグ白熱!

【第5位】可夢偉とホンダ
 今年F1に復帰した可夢偉選手ですが、契約先のケータハムは、競争力が低い上に、シーズン中にオーナーが変更、その後に財政破綻に陥り、管財人の管理下に入るという、大混乱の1年を過ごすことになりました。

 F1ドライバーとして高い能力を持ちながらチャンスに恵まれない可夢偉選手に関し、来年F1に復帰するホンダと結びつくことを期待する声がより一層高まりました。

 1992年のF1ワールドチャンピオン、ナイジェル・マンセルは、イギリスGPの際に「ホンダは可夢偉を乗せるべきだと思っている」と発言。可夢偉選手自身も、ケータハムが欠場したアメリカGPに足を運び、会見の中で「(ホンダに入れれば)絶対、貢献できる自信がある」とはっきり意思表示をしました。

 ただこれに対してホンダF1の総責任者、新井康久氏は、「名誉なこと」と述べるにとどまりました。

 結局マクラーレンF1チームは2015年に向けてフェルナンド・アロンソ&ジェンソン・バトンと契約を結び、残念ながら来年に関しては可夢偉選手をレースドライバーとして起用する可能性はなくなりました。常にF1が最優先という気持ちを示してきた可夢偉選手の来年以降の動向が注目されます。

■関連記事
可夢偉来場、来季のホンダに「貢献できる自信ある」
可夢偉のラブコール、ホンダ新井氏「名誉なこと」
GP直送:マンセル「ホンダは可夢偉を乗せるべき」

【第4位】可夢偉へのサポート
 ケータハムのオーナーが変更した後のハンガリーGPでマシンについたスポンサーロゴ「Forever with Mai」「Frontier Japan」「We LOVE 麻衣」。この「麻衣さん」とは一体誰なのか、その謎を解明するレポートに大きな関心が集まりました。

「麻衣さん」の他にも、可夢偉選手のため、2戦欠場したケータハムがアブダビGPで復活できるようサポートしていた人々がいることも分かっています。

■関連ニュース
欠場の可夢偉に「麻衣」さんからのメッセージ
可夢偉の土曜:新スポンサー“麻衣”の真意
可夢偉の金曜2:麻衣さんは実在の日本人
可夢偉の金曜:新スポンサー「We LOVE 麻衣」?
GP直送:可夢偉をサポートするスポンサーたち

【第3位】ケータハムでF1復帰
 2013年、ザウバーのシートを失った可夢偉選手は、F1から離れてフェラーリと契約しAFコルセからWECに参戦しました。しかし2014年にはフェラーリからの新契約のオファーを蹴ってケータハムでF1に復帰することを選びました。

 可夢偉選手は、フェラーリからは「君はばかだよ」と言われたけれど無償でもF1で走りたかったという強い気持ちを、契約発表直後に明かしています。
 当時のオーナー、トニー・フェルナンデスは、チームの前進のため可夢偉選手を選んだとして強い信頼を示していましたが、その後、チームから手を引き、チーム自体が経営破綻に陥り、可夢偉選手にとってケータハムは期待外れのシーズンを送ることになってしまいました。

■関連記事
可夢偉、フェラーリを断り、無報酬でケータハムに
可夢偉の決断「フェラーリから『ばか』と言われた」
「可夢偉の起用は正解」とケータハム代表喜ぶ
「成功のためヘイキでなく可夢偉を選んだ」とボス
可夢偉F1復帰決定! ケータハム加入を正式発表

【第2位】世界で認められた可夢偉の実力
 毎グランプリ、英国AUTOSPORT誌が行っている全ドライバー評価企画で、可夢偉選手は一貫して高い評価を受けました。今年参戦した16戦の中で、ネガティブな総評はほとんどなく、可夢偉選手は極めて有能なF1ドライバーであり、競争力の低いケータハムのマシンで見事な戦いをしていると評価されました。この各グランプリごとのドライバー評価記事にはたくさんのアクセスをいただきました。

■関連記事
「可夢偉は苦境の中で価値を見せつけた」:英誌評価 2014年総集編
「可夢偉の強さに驚くばかり」英誌評/オーストラリアGP
「可夢偉はチームに自分の価値を見せ付けた」英誌評/イタリアGP
「可夢偉は極めて有能なF1ドライバー」英誌評/アブダビGP
「可夢偉はマシンの力以上の仕事をした」英誌評/モナコGP
「可夢偉の熟練のレースに感銘」英誌評/マレーシアGP

【第1位】可夢偉の将来
 可夢偉選手関連で今年最も大きな関心を集めたのは、短期的、長期的な可夢偉選手の将来についての話題でした。

 ケータハムの体制が不安定になってからは、可夢偉選手が次のレースに出場できるのかどうか、毎戦大きな懸念が生じるようになりました。

 オーナー交代後、チームはベルギーGPではレギュラードライバーの可夢偉選手を外してアンドレ・ロッテラー選手を走らせました。その後は可夢偉選手が出場できるのかどうかは1戦ごとに決まる状態で、アメリカ、ブラジルではチーム自体が欠場という事態に陥り、ファンにとっては気を揉む時期が続きました。

 来季のことが決まらないまま最終戦を終えた可夢偉選手は、12月のスーパーフォーミュラ岡山テストに参加、2日にわたってトップタイムをマークしました。可夢偉選手はこのテストの際には、F1を目指したいと思う一方で日本でモータースポーツを盛り上げることも大事だと感じた、と話しています。
 2015年に向けて可夢偉選手がどういう道を選ぶのか、注目されるところです。

■関連記事
GP直送:ケータハム関係者、可夢偉について発言
GP直送:可夢偉、イタリアで復帰の可能性は33%
ケータハム、可夢偉に代えロッテラー起用を発表
可夢偉「政治的な動きが目立ち残念」“他の可能性”も検討
小林可夢偉、SF岡山テスト走り始めでトップタイム
揺れる可夢偉「やっぱりF1」も「日本も大事」

 年末に可夢偉選手は自身が主催するKAMUI TV LIVEで「歯がゆく悔しいシーズンだった」と今年1年を振り返っています。今年恵まれない状況下で力を尽くした可夢偉選手が、2015年にどのような活動を行うのか注目し、今後も応援していきたいと思います。

本日のレースクイーン

藤白玲華ふじしろれいか
2025年 / スーパーGT
Pacific JLOC Angels
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円