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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.11.09 00:00
更新日: 2018.02.15 23:31

アウディ、ILMC最終戦珠海で2位フィニッシュ


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Audi R15 TDIが中国のレースファンを魅了

【第3戦:ズーハイ(中国)】
・Audi Sport Team Joestが2位と3位に入賞
・ズーハイで行われたILMC最終戦で、ルマン優勝チームがその強さを披露
・最終局面で、Audiは優勝の可能性を失う

多くのファンを魅了したスポーツプロトタイプカーレースの最終戦が中国ズーハイで開催され、初めて中国でのレースに参戦したAudi Sport Team Joestが、レースファンを魅了しました。しかし、最終局面での展開によって、ほぼ手中にしていた優勝の機会を失ってしまいました。

今回の1,000kmレースでAudi R15 TDIを駆るトム クリステンセン/アラン マクニッシュとリナルド カペロ/ロメイン デュマ組は、2台のPeugeot 908と素晴らしいバトルを繰り広げました。トム クリステンセン/アラン マクニッシュ組は、レース終了1時間前のセーフティーカー導入によってそれまで30秒あったアドバンテージを13.5秒に短縮されるまで、レースを完全にリードしていました。

セーフティーカー導入後は、コンマ1秒を争うスプリントレースが繰り広げられました。そんな展開の中、トム クリステンセンは、優勝争いを繰り広げていたPeugeotのステファン サラザンが最後の給油ピットストップに入る直前、その時点ですでに3周遅れとなっていたサラザンのチームメイトであるセバスチャン ボルデイズにブロックされてペースを遅くさせられたことに困惑しました。これによりサラザンはクリステンセンに1秒のアドバンテージを持った状態で給油を終えレースに復帰し、最終的にわずか4.8秒のリードを持って優勝しました。

このプジョーによる“チームワーク”は中国のレースファンから、最後に繰り広げられるはずだったバトルを堪能するチャンスを奪いました。それでも、2台のAudi R15 TDIの素晴らしいパフォーマンスと、日陰でも26度にも達した高温多湿の中でも衰えることのない、ハイレベルな戦闘力を目の当たりにしました。レース開始から2時間目以降に、ピットストップ毎にタイヤを交換する作戦に出たことは功を奏しました。ドライバー達は新品タイヤのおかげで、タイヤ交換によって失われる時間を取り戻すだけでなく、アドバンテージを広げる走りが出来たのです。レース終了1時間前にセーフティーカーが導入されてアドバンテージを失い、それまでのプランの変更を余儀なくされた苦しい局面でも、このタイヤ交換作戦のおかげでアラン マクニッシュとトム クリステンセンはトップと僅差の2位を獲得することが出来ました。リナルド カペロとロメイン デュマは3位を獲得しました。

今回のインターコンチネンタルカップの最終戦は、Audi R15 TDIにとっても最後のレースとなりました。2011年以降、ルマンのプロトタイプカーには、エンジンサイズを縮小する新しいレギュレーションが適用されます。この新しいレギュレーションに適合した新型モデル“R18”は12月に発表されます。

Audi R15 TDIは、2009年と2010年に合計9つのレースに出場し、そのうち3つのレースで優勝を獲得しています。この革新的ディーゼルスポーツカーは、2010年のルマン24時間において過去最速タイムを樹立して1-2-3フィニッシュを遂げたことで、歴史の1ページにその名を刻みました。

Audi R15 TDIの開発においては、Audiと長期に渡るパートナーシップを確立しているボッシュとの協力関係が特に重要な位置を占めています。両社はモータースポーツにおいて、一般生産車両の技術をベースにしてモータースポーツ用の最善のソリューションを導き出すという、同じ目標を共有しています。両社の取り組みの好例は、ガソリン直噴インジェクションとディーゼルインジェクションの技術です。1989年に両社は世界初のディーゼル直噴インジェクションとターボ技術を搭載したAudi 100 TDIを発売しました。このモデルのために培われた技術は、今日の市販車およびモータースポーツでのディーゼルエンジン成功の基礎を構築しました。

ズーハイでは、Audi R15 TDIに加え、Audi R8 LMSがレースデビューを飾りました。KKパフォーマンスからエントリーしたマーシー リー、アレックス ユン、マシュー マーシュの3人が総合12位、GTCクラス優勝を獲得しました。

Audi R15 TDIとAudi R8 LMSが中国の観客の前に姿を現したすぐ後、今度はAudi A4 DTMが登場します。来る11月28日に、DTMの最終戦が上海の公道サーキットで開催されます。

【アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ウォルフガング ウルリッヒ (Audi Motorsport 代表)
我々は優勝をほぼ手中にしていた。しかし残念なことに、レース終盤になってセーフティーカーが導入され、それまでに培ったアドバンテージの多くを失ってしまった。我々が最後のピット作業を終えた後、2台目のPeugeotがすでに優勝争いから脱落しているにも関わらず数周に渡ってトム(クリステンセン)の前に立ちはだかりブロックしてきた。これにより、トムはタイヤを損傷させてしまった。最終的に立ちはだかってきたPeugeotをパスした時点で、もう彼が優勝する可能性は残されていなかった。Peugeotの振る舞いは、我々に言わせればまったくもってフェアでない行為だが、残念ながらモータースポーツの世界では起こりえることだ。我々にとっては、中国のレースファンの前で素晴らしいレースを行うことが大切であったし、その目的は達成出来たと思っている。中国の人達の心を掴んだり、マーケットシェアを拡大するために、優勝は必ずしも必須条件ではない。我々は、上海で行われるDTM最終戦も楽しみにしている。

【ILMC第3戦 ズーハイの結果】
1. F モンタグニー/S サラザン (Peugeot) 232ラップ
2. T クリステンセン/A マクニッシュ (Audi R15 TDI) +4.826s
3. R カペロ/R デュマ (Audi R15 TDI) +49.302s

12. リー M/ユン A/M マーシュ (Audi R8 LMS) +40L
17. リチャード H/リー A (Audi R8 LMS) +61L

【ILMC LMP1クラス 第3戦までのマニュファクチャラーポイント】
1. Peugeot 140ポイント
2. Audi 101ポイント


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