アウディ、e-tron quattroによりルマン初、ハイブリッドマシンでポールポジションを獲得
インゴルシュタット/ルマン発、2012年6月15日

アウディ、e-tron quattroによりルマン初、ハイブリッドマシンでポールポジションを獲得

●ルマンの予選で、アウディのディーゼルハイブリッドスポーツカーが1番グリッドを獲得
●アンドレ ロッテラーが、昨年のベストタイムを2秒近く更新
●2台のAudi R18が一列目からスタート

ルマン24時間レースがまもなくスタートします。1923年から開催され、今年で80回目を迎えるこの伝統的な耐久レースにおいて、ハイブリッドドライブを搭載したAudi R18 e-tron quattroが史上初となるポールポジションを獲得しました。

リヤアクスルを駆動するTDIパワーと、フロントアクスルを駆動する電気モーターをインテリジェントに組み合わせたカーナンバー「1」のAudi R18 e-tron quattroは、木曜日の夜に行なわれた最終予選で、22:00を少し過ぎた時間に、アンドレ ロッテラーが3分23秒787のファステストラップを記録しました。このタイムは、昨年のベストタイムを約2秒も上回るものです。

「マシンは、レールの上を走っているようだった。ただただ驚くばかりだ」と、この31歳のドイツ人ドライバーはコメントしています。彼は量産車にも採用され、アウディで既にテスト済みの新しいタイプの電気によるquattroドライブのアドバンテージを絶賛しました。「アウディスポーツのスタッフが最高の仕事をしてくれたおかげで、ルマンで初めてポールポジションを取ることができた。彼らには本当に感謝している!」

ルマン予選でその圧倒的なパフォーマンスを披露したのは、Audi R18 e-tron quattroだけではありません。世界選手権のポイントランキングでトップを走るロイック デュバルが駆るカーナンバー「3」の従来型パワーユニットを搭載したR18 ultraは、わずか0.291差で2位に入っています。「予選の最速ラップは完全にフリーな状態ではなかったので、もっとタイムを上げることができたはずだ」と、このフランス人ドライバーはコメントしています。「それで、自分のタイムが破られると思ったのだ。しかし、私たちの目標はトヨタの前からスタートすることだったので、その意味では目標は達成された」

ルマンの優勝記録保持者であるトム クリステンセンがドライブするカーナンバー「2」のAudi R18 e-tron quattroは、4位のラップタイム(3分25秒433)を記録し、3位に入ったトヨタのハイブリッドマシンのすぐ後方からスタートします。ルマン初挑戦となるマルコ ボナノーミがステアリングを握るカーナンバー「4」のAudi R18 ultraは、6番グリッド(3分26秒420)を確保。これによって、アウディスポーツ チームヨーストから参戦した4台のマシンすべてが予選スタートの3列目以内に入ったことになります。

ルマンにおけるアウディのポールポジションは、2000年、2001年、2002年、2004年、2006年、2011年に続き、今回で7回目となります。毎回、アウディのマシンはフロントローを独占してきましたが、2種類の異なる技術によるマシンが1列目に並ぶのは今回が初めてのことです。

「トヨタのハイブリッド2台を凌ぎ、史上初めてハイブリッドマシンでルマンのポールポジションを獲得したことを、もちろん誇りに思っています」と、アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング ウルリッヒは述べています。「しかし、これはまだ非常に小さなステップに過ぎません。目の前には、レースに勝つという、より大きな目標があります。いつものことですが、2日間行なわれたプラクティスセッションでは、ほとんどレースのセットアップに集中していました。その結果、マシンを非常に運転しやすい状態に仕上がることができました。また、これまでのところ、信頼性にもまったく問題はありません。しかし、これまで私たちが常に申しあげてきたとおり、ルマンで速さを発揮するのはディーゼルのみではないということが、今回の予選で明確になったと思います。ハイブリッドとディーゼルによる今回のダブルポールは、最高の状態にマシンを仕上げてきた、チーム全体のハードワークの賜物です。」

第80回となるルマン24時間レースは、土曜日の現地時間15:00(日本時間16日22:00)にスタートし、世界中の数多くのテレビ局がこのレースを生中継する予定です。アウディでは、www.audi-liveracing.comでレースのライブストリーミングを提供します。視聴者は、Audi R18のオンボード映像によるレースの模様を楽しむことができます。

今年のルマン24時間レースでは、アウディでもっともコンパクトなモデルが、大きな存在感を発揮します。このレースのフォーメーションラップを先導するのは、333台が限定生産されるAudi A1 quattroです。

予選後のコメント
Dr. ウォルフガング ウルリッヒ(アウディ モータースポーツ代表)
「アウディがフロントローを独占できたことは、大変に素晴らしいことだ。期待されていた通り、Audi R 18 e-tron quattroは、Audi R18 ultraよりも若干速いタイムをマークした。同時に、ライバルであるトヨタとの差も接近していることが分かった。それでも、予選ではアウディが先行している。これは、レースではあまり重要な意味を持っていないかもしれないが、良い材料であることには違いない。もっとも重要なことは、レースが終わるまでしっかりとモチベーションを保って、チーム全員がハードワークを続けることだ」

ラルフ ユットナー(アウディ スポーツ チームヨースト、テクニカルディレクター):
「私たちは、まったくトラブルなしに予選を終了することができた。4台のマシンすべてを順調に仕上げることができたと思っている。すべてのドライバーが、マシンに大きな信頼を持っているよ。彼らは、コンスタントに速く走ることができる。しかし、すべてのマシンは、給油やタイヤ交換のためのピット作業を行なわなければならない。私たちは、これらの作業を他のチームよりもうまく行なう必要がある。なぜなら、レースの様々な要素に加えて、サーキットのトラフィックは大きな問題となるからだ。最終的に、トヨタはフレッシュタイヤを1セット多く使用している。彼らは、非常に速いペースで走っている。予選で3位に入ったことは、素晴らしいことだと思う。最初のレースでこの結果は賞賛に値するだろう。このことは、私たちがトヨタの存在を決して忘れてはならないことを示している。完璧な作業を行なってくれたチームの皆には感謝している。彼らは、時には夜中まで働いていた。彼らの働きによって、ドライバーの自信も深まっている」

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