WEC世界耐久選手権第6戦富士は3度の赤旗の末にレース終了となったが、アウディは2号車R18 e-トロン・クワトロが2位に入り、2013年のマニュファクチャラータイトルを決めた。
今季のWECではここまで土つかずだったアウディ。しかし、ポールポジションからスタートした1号車アウディはデブリがエアインテークに入ってしまうという不運なトラブルに見舞われ、「安全上の理由」からピットインし、セーフティカーランをうまく使い周回遅れになることを避けながら、同一周回で集団に戻っていった。
しかし、直後に一度目の赤旗が発生し、その後もセーフティカーランと赤旗中断を繰り返すことに。8号車トヨタがピットスタートとなったこともあり、7号車トヨタが優勝。2号車アウディが2位という結果になった。
決勝レースについて、アウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒは「たくさん来場してくれた日本の熱心なファンのために、エキサイティングなレースをみせたいと思っていた。しかし、残念なことに天気がそうはさせてくれなかった」と語った。
「誰もこれについては非難することはできない。レースが最終的に終了となったのは、唯一の合理的な理由である安全がすべてに最優先されるからだ。こういった特異な状況で勝ち得たものだとしても、我々はチャンピオン獲得に満足している」
「我々は来年も、日本のスポーツカーファンたちがレースを楽しみにしてくれているだろうと確信しているよ」
一方、雨中の中で2号車をドライブしたロイック・デュバルは、終了の決断が正しかったと語る。
「僕は日本でレースをしているけど、こういったコンディションでレースがキャンセルされることはしばしばあることなんだ。僕たちのクルマはこの状況下ではドライブすることはできない。水に乗ってボートのようになってしまうからね」とデュバル。
「もちろん、僕たちはレーシングドライバーだ。ファンのみんなの前でドライブしたかった。だけど、今日のレースコントロールの判断は正しかったと思っているよ」
他のアウディドライバーたちも、異口同音にレース再開を待った日本のファンへの感謝と、レースコントロールの判断の正しさを語った。
「僕たち皆が、ファンのみんなに申し訳なかったと思っている。でも、水の量が多すぎた。もうどうしようもないんだ」とアンドレ・ロッテラーはレース後、ファンに向けてメッセージを残した。