14日、トヨタが2012年からル・マン24時間と世界耐久選手権に参戦することが明らかになったが、今季アウディからル・マン24時間に参戦し、優勝を飾ったアンドレ・ロッテラーは日本ではトヨタのドライバーとして活躍している。両者を良く知るロッテラーに話を聞いた。
ロッテラーは、2006年から現在も所属するPETRONAS TOM'Sに移籍し、フォーミュラ・ニッポン、スーパーGTに参戦。ニュルブルクリンク24時間でもレクサスLFAを駆るなど、トヨタのドライバーとして日本ではおなじみだ。一方で、2010年からアウディワークスドライバーとしてスポーツカーレースに参戦。今季のル・マン24時間では日本で鍛えた“技”とも言える走りで優勝を飾り、日本の関係者を喜ばせた。
そんなロッテラーだが、トヨタが復帰するともなれば、ぜひとも欲しい存在のひとり。トヨタのル・マン復帰をどう捉えているのだろうか? スーパーGT第8戦ツインリンクもてぎの現場で、ロッテラーを直撃した。
Q:昨日、トヨタがル・マンに復帰すると発表しましたが、そのニュースについてどう思いましたか?
アンドレ・ロッテラー(以下AL):僕らのやっているこのスポーツにとって、素晴らしいニュースだよね。今、スポーツカーの世界では様々なことが起こっている。新しい世界耐久選手権も始まるし、前向きなニュースだと思う。来年、トヨタは何戦かに出るだけだと思うし、最初はそれほど大きな規模で始める訳ではないと思うよ。だけど、トヨタが選手権に加わることはいいことだと思うし、僕自身トヨタとは深い関係があるから、興奮するニュースだよね。
Q:あなたは、ヨーロッパではアウディのドライバーですが、日本ではトヨタのドライバーとして活躍しています。今年はル・マンに勝って、経験という意味では充分。そこで、もし可能性があるとしたら、トヨタで走りたい気持ちもありますか?
AL:現時点では何も話していないし、僕自身に関して今後のことはまだ何も決まっていないんだ。もちろん、来年もアウディで走ることはできると思っている。もちろん彼らは僕にチームに残ってもらいたいと思っているよ。でも、まだ将来に向けて何の契約書にもサインしたわけじゃないからね。ただ、僕は日本でトヨタと長く一緒にレースをしてきたし、ここでトムスとともに、トヨタのためにレースをするのはすごく好きだ。僕のキャリアに大きく寄与してくれたブランドでもある。でも、今回は少し事情が違うよね。クルマを作るのはドイツのTMGだし、実際にレースでこのクルマを走らせるのも、同じトヨタだけどまた違う人たちになる。だけど、今の段階では本当に何も分からないんだ。彼らが僕のところに来て『乗ってほしい』って言ってくれたら、そこからどうするかっていうことを考えなくちゃいけないって思っているけどね。
Q:まだオファーはないの?
AL:だって、昨日発表になったばかりだからね。もちろん、その前からル・マンに関して、トヨタが色々話をしているのは知っていたけど、その時点ではまだ何も決まっていなかったみたいだし、まったくどうなるか分からないよ。
Q:今回、トヨタはハイブリッドシステムを搭載したマシンでル・マンに挑戦するわけですが、それに関してはどう思いますか?
AL:ハイブリッドっていうのもひとつあるけど、彼らがガソリンエンジンを使うっていうのもひとつの興味深いポイントだよね。ディーゼルはより効率的なエンジンだと思うけど、ACOとFIAは、どんどんディーゼルに規制をかけているからね。どんどん難しさが増してきているんだ。ただ、問題はエンジンのパワーじゃない。ガソリンエンジンの方がパワーがあるし、彼らはいいエンジンを持っていると思うよ。だけど、そういうチームは、アウディやプジョーみたいに空力的に進んだことをやっているって訳じゃない。その点では、僕らの空力はとても効率的だし、トップスピードも稼げると思っているよ。一方、低速区間ではガソリンエンジンの優位性が発揮されて、オーバーテイクするのは難しくなると思う。もしトヨタがすごく効率的な空力パッケージを持っていたら、エンジン的にもパワーがあるし、燃料タンクも大きいし、有利な点はあるよね。ただし、彼らにとっては来年が1年目だから、色々学ばなければいけないことがある。僕らは今、すごく高いレベルでの勝負をしているからね。
Q:すでにトヨタの発表したクルマのイラストも見たと思うけど、それについての印象は?
AL:実際、あのイラスト通りのクルマができてくるかは分からないから、何とも言えないよね。でも、あのイラストを見る限りでは、空力的にはアウディとプジョーをミックスしたような印象を受けたよ。
