マクラーレンのグループCEOであるロン・デニスが、現時点ではテスト中にクラッシュしたフェルナンド・アロンソが開幕戦に出場すると断言することはできないと語った。
アロンソは1回目のバルセロナテスト4日目にターン3でクラッシュ、メディカルセンターに搬送された後、ヘリコプターで病院に移送された。けがはないと発表されたものの、アロンソは3日間入院した後に自宅療養を行うことが決定、最後のプレシーズンテストは欠席することとなった。
バルセロナテスト2回目がスタートした26日、デニスが記者会見を行い、アロンソの現在の状態、クラッシュの状況などについて語った。
「今後もいくつか検査を行う予定だ。FIAによって定められたプロセスがあり、彼がそれにパスするのが難しいと考える理由は見当たらない。だが決めるのは私ではない」とデニス。
「彼は事故に遭ったばかりだ。ここ(最終テスト)にフェルナンドを連れてくるのが常識的だと考える者はいないだろう」
「医師は(彼がレースに出られる可能性を)定量化することはできないと言っている。(だが彼の脳には)構造上の損傷はなく、ドライバーにとって正常な回復プロセスを経ている」
「意識がはっきりしており、正常で、話をしており、走りたがっている。だがドクターはこう言っている。『本当に100パーセント確信を持ちたいなら、彼がオーストラリアに行ける可能性を最大限に高めたいなら、休ませるのが一番いい』とね」
「医師の意向に背くつもりはない。単純なことだ」
アロンソはオーストラリアGPに出場すると思うかと聞かれ、デニスは「出場しない理由は私には予測できないが、私は医師ではない」と答えた。
アロンソはクラッシュによって身体的なけがは一切負っていないが、脳震盪を起こしたために医師が慎重になっているとデニスは説明した。
アロンソが3日入院した理由を聞かれたデニスは「意識を失った時間があったからだ」と答えた。
「比較的短い時間だった。事故によって受けたGの値は、マシン内部よりも彼のヘルメット内部の方がはるかに小さかった。半分以下だ」
「頭部を固定するシステムは主に前後の動きのためにデザインされているが、今回の場合は左右に動いた」
「一部記憶がないという報道があったが、こういう振動を受けた後ではそれが普通のことだ」
「頭部外傷の可能性がある場合に必ず行われる手順として、彼は(コースで)鎮静状態におかれた」
「CTおよびMRIスキャンには完璧にパスした。検査過程を通して、脳にダメージがあるという兆候は一切見られなかった」
「脳震盪を起こしてすらいない。スキャンにおいて専門的定義の脳震盪が見られたのだ」
「(頭部が)激しく揺さぶられて脳が悪影響を受ける可能性がある。だが出血や打撲は一切ない」
「身体的に完璧な状態だ。一定時間脳震盪の症状があったが、スキャンの結果は問題ない」