8日、アストンマーチンのパートナーチームとしてGTレースやプロトタイプカーでアジアを中心に活動していたクラフトレーシングと、WTCC世界ツーリングカー選手権やGP3で活躍していたイギリスのバンブー・エンジニアリングは、両チームが合併し、『クラフト・バンブー・レーシング』としてグローバルレースチームとして活動すると発表した。
香港出身の実業家であり、自らもステアリングを握って積極的なレース活動を行っていたフランク・ユウ率いるクラフトレーシングは、GTアジアやアジアン・ル・マン・シリーズなどで活躍。GTレースではフォードGTやアストンマーチンV12バンテージGT3などを走らせ、昨年からアジアン・ル・マンではプロトタイプカーも導入。LMP2クラスに参戦していた。
一方、イギリスのシルバーストンに本拠地を置いていたバンブー・エンジニアリングは、リチャード・コールマンによって2009年に設立され、シボレー・ラセッティでBTCCに参戦した後、2010年からWTCCに参戦。シボレーのサテライトチームとして谷口行規らを擁し参戦。昨年はジェームス・ナッシュが2勝を挙げたほか、GP3にも参戦した。
新たに両チームが合併して誕生したクラフト・バンブー・レーシングは、イギリスとマレーシア、香港に拠点を構え、バンブーのコールマンが代表を務め、ユウはチェアマンに就任。「我々は広範囲な経験とともに、ひとつの屋根の下に活動することになった。バンブーとクラフトは何年にも渡って良好な関係にあり、同じゴールを共有する」とコールマンは語る。
「我々ふたりは、世界選手権を勝ちとるチームを運営したい」
また、チェアマンとなったユウは「ここ2〜3年で、我々はアジアのスポーツカーレースで大きな影響力を及ぼすことができた。今度は、世界タイトルを争う世界的なチームにしたかったんだ」と合併の理由を語った。
チームは当面、クラフトが長年パートナーチームとなっていたアストンマーチン・レーシングとのジョイントで、WEC世界耐久選手権に参戦。99号車アストンマーチン・バンテージを走らせる。ドライバーはすでに発表されているとおり、アレックス・マクドゥエル、ダリル・オーヤンといったバンブーでWTCCを戦った経験をもつドライバーで、ここにブラジル出身のフェルナンド・リースが加わる。
一方、クラフト・バンブー・レーシングはWTCCへの復帰も検討しているとコールマンは語った。
「もちろん、我々はツーリングカーレースにも関与していて、いくつかの段階でWTCCに復帰したいと考えている。しかし、今シーズンの間はWECにその力を集中させていきたい」