今季のル・マン24時間耐久レースではポルシェ、アストンマーチンの両ワークスに対し速さでは後れを取ったものの、参戦した2台ともに完走を果たしたコルベット・レーシング。チームが今季のデイトナ24時間が採用した“秘密兵器の詳細がオートスポーツNo.1360に掲載されているのでご紹介しよう。
昨年のル・マン24時間耐久レースでも、周回遅れのLM-GTEアマクラスのフェラーリが8号車トヨタTS030ハイブリッドとクラッシュ、8号車が宙を舞う大クラッシュを喫し、2011年もアウディR18 TDIが2台、LM-GTEクラス車両とクラッシュ。いずれも大きな損害を負った。昨今、ラップダウンの処理が勝敗を分けるスーパーGT出身ドライバーがワークスでも重宝されているとおり、LM-GTEクラス車両の処理は大きな課題となっている。
もちろん、“抜かれる側”のLM-GTEクラス車両にとっても、LMP1クラス車両の“抜かせ方”は大きな課題。昨年のル・マンで起きた8号車トヨタのクラッシュも、死角にいた8号車に気付かないまま接触していたのを覚えている方も多いだろう。また、夜はさらにお互いに厳しい状況となる。近年明るさを増しているLMP1車両のヘッドライトがまぶしすぎ、GTE車両は「どこにいるか分からない」状況なのだ。
そんな状況を打開すべく、ALMSアメリカン・ル・マン・シリーズで活躍、ル・マンにも毎年参戦しているコルベット・レーシングが導入したのが、後方レーダー捕捉システム。コルベットC6 ZR1のリヤガーニッシュに埋め込まれたカメラがキャッチした映像が、コクピットのモニターに映し出される。
これだけならば、今GTカーはもちろん、市販車にも使われているリヤビューモニターと変わりないが、コルベット・レーシングと設計元のプラット&ミラー社が開発したこのシステムは、レーダー感知装置とカメラの組み合わせで、後方に映る最大32個の物体を捕捉する。
システムは物体を捕捉すると、画面上にはブーメラン状のアイコンが表示される。コルベットに接近する速度が速い場合はレッド、同速の場合はイエロー、遅い場合はグリーンで表示される。中でも、明らかに上位クラスの車両であると判断されると、アイコンの線が二重になる。
画面のサイドには、接近する車両との距離のメーターが同様に表示され、少しずつゼロに近づいていくが、抜かれる時には車両がどちらのサイドに、どの程度のスピードで存在するか大きな矢印に変化する。もちろん、レーダーなので雨天時や夜でもアイコンはしっかり表示される。
その由来、そしてシステムの構成については本誌に譲るが、まずはぜひ、プラット&ミラー社が公開している実際のコルベットに搭載された際の動画をご覧あれ。アクシデントを1回回避できれば、システムの元が取れるという後方レーダー捕捉システム。ル・マン/ALMSはもちろん、スーパーGTやスーパー耐久でも活用できそうだ。
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