アメリカチームのスターワークス・モータースポーツは、今シーズンのWEC世界耐久選手権でLMP2クラスのタイトル防衛を諦めることになった。
2012年のLMP2クラスでタイトルを獲得したスターワークスは、今週末の開幕戦シルバーストーン6時間に参戦しないことをすでに表明しており、今週には、2013年を戦う十分なスポンサーを得ることが出来なかったとして、チャンピオンシップとル・マン24時間のエントリーを取り下げている。
チームボスのピーター・バロンは、「もはや持ちこたえることができなくなり、チームを再編する必要がある」と、チームの苦しい台所事情を明かした。
「ル・マンに出場することは可能だったかもしれないが、そうなればチャンピオンシップから離脱しなければならなかっただろう。たった1戦のためにチームを準備することは難しいことだったと思う」とバロン。
「シーズンの残りを不利な立場で迎えるより、参戦を諦めて将来のために計画を立て直して再スタートする方がいいと思ったんだ」
スターワークスは、昨年HPD ARX-03bを走らせる元になったベネズエラ政府の援助と複数のスポンサーから今年も資金が得られると信じていた。しかし、ウゴ・チャベス大統領の深刻な病状とその後の死去に伴う同国の政治不信により、チームの資金確保は実現しなかったとみられている。
そんな状況のなかバロンは、もしも資金が確保できれば、今シーズン終盤にも復帰する可能性を示唆。チームは、今もグランダム・シリーズのデイトナ・プロトタイプに留まっている。
「スポンサーは完全に交渉のテーブルから去ったわけではない。資金を得られればマシンを手に入れることができる」とバロン。
「早急に十分な資金が確保されれば、数戦のALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)と9月にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるWECを考慮に入れることができるだろう」
スターワークスは、ベネズエラのアレックス・ポポフとイギリス人のライアン・デルジエルが別のHPD ARX-03bをドライブして、今季のWECを戦う予定だった。昨年のマシンはすでにエンツォ・ポトリッツィオの手から、ALMSのエクストリーム・スピード・モータースポーツへと渡っている。
しかし、資金調達の遅れによって、チームは別のシャシーを購入することができなくなった。彼らの参戦休止に伴い、モーガン・ジャッド/BMW LMP2を走らせるスイスのモラン・レーシングが参戦の権利を得るとみられている。