WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに、HPD ARX-03c・ホンダで参戦するストラッカ・レーシングは8日、今季の残りのWEC戦に参戦しないと発表した。
LMP1クラスの数少ないプライベーターチームとして、毎戦レベリオン・レーシングのローラB12/60・トヨタと戦ってきたストラッカ・レーシングは、6月のル・マン24時間耐久レースではレベリオン勢の後退もあり、プライベーターとして最上位でフィニッシュした。
しかしチームは8日、「2014年に向けたエキサイティングなプログラムのため」に、ル・マン24時間を最後にWECのプログラムを休止すると発表。これはル・マンの予選でクラッシュを喫し、HPD ARX-03cのフロントエンドとエンジンカバーのスペアが少なくなっており、リヤエンドのアッセンブリーはもう2つしかパーツがないことも理由にあるという。
「我々は2014年に向けて、ストラッカ・レーシングが将来トップレベルのスポーツカーチームとなるための、いくつものエキサイティングなプログラムがあるんだ。だから今は、全員がこの重要な決断に集中したいんだ」と語るのは、ストラッカのチームマネージャー、ダン・ウォルムスリー。
「今季の残りシーズンを戦わないのは難しい決断だった。でも、この決断はチームの長期的なスポーツカープログラムを考えた時に、ベストなものだった」
一方で、2010年からHPD ARXシリーズを使用しているストラッカでは、今後もホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)とのリンクを継続しつつ、LMP1クラスへの挑戦を続けていきたいという。また、チームはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズに参戦しているP1モータースポーツを買収しており、将来は2台体制を検討しているという。
これまでチームが使用してきた21号車HPD ARX-03c・ホンダは、今週末に行われるグッドウッド・フェスティバルでジョニー・ケインのドライブで走行する予定で、この走行を最後に役目を終えることになるという。
ストラッカ・レーシングは2009年にジネッターザイテックGZ09S-04でLMP1に初挑戦。10年からはHPD ARX-01cでLMP2に参戦し、12年にはLMP1にカムバックしていた。ストラッカがWECの参戦を休止することになり、もしトヨタ・レーシングも台数を縮小した場合、今季のWECのLMP1クラスはアウディ2台、トヨタ1台、レベリオン1台という4台での争いとなる。