5日、ル・マン24時間耐久レースを運営するACOフランス西部自動車クラブはエントリーリストの変更版を発行した。LM-GTEアマクラスに参戦する日本のチーム・タイサンのフェラーリ458の第1ドライバーが、当初登録されていたジェームス・ロシターから中野信治に変更された。
昨年アジアン・ル・マン・シリーズにフル参戦し、GTEクラスのチャンピオンを獲得。今季ル・マン24時間のLM-GTEアマクラスに参戦することになったチーム・タイサン。ただ、ル・マン24時間に初めて参戦するにはテストデーの参加や事前のシミュレーターテストをこなさなければならず、日本でタイサンに所属するドライバーたちはスーパーGTとの兼ね合いで今回参加が叶わなかった。
そこでチーム・タイサンは、すでにル・マン参戦経験を持つロシターを第1ドライバーに起用し、ピエール・エハート、マーティン・リッチというふたりのジェントルマンドライバーとのトリオで今季のル・マンに臨むとしていたが、6月1日のテストデーではこのタイサンのフェラーリの経験も豊富な中野信治を起用し、マシンを熟成。本番でロシターにステアリングを託す予定だった。
しかし、レースを翌週に控え急遽チーム・タイサンはロシターから中野にドライバーが変更することになった。チームを率いる千葉泰常代表に聞くと、ロシターの起用にあたり千葉代表宛に契約書が5日の時点で届かなかったため、千葉代表からACO側にドライバー変更を申請。受理されたのだという。
中野は今季、LMP2クラスに参戦するミレニアム・レーシングとの契約があったものの、ル・マン24時間ではミレニアムは1台しか参戦しないことになっており、最終的に中野がミレニアム側に確認を取った後、タイサンでのル・マン参戦が実現することになった。
元F1ドライバーの中野は長年ル・マンに参戦しており、実績も十分。タイサンのフェラーリも昨年のアジアン・ル・マン、そしてテストデーでドライブしており、千葉代表は「クルマの仕上がりもいい」と語っている。