2012年のル・マン24時間でデビュー、WEC世界耐久選手権では3勝をマークしたトヨタTS030ハイブリッドだが、2013年のWECでも第2戦スパ、第3戦ル・マン24時間をのぞき、1台での参戦が確定的となりそうだ。
トヨタTS030ハイブリッドの2013年については、すでにオートスポーツNo.1347でもル・マンでは2台、それ以外のラウンドでは1台となる可能性を報じていたが、WECのエントリー締切に合わせて各チームが続々と体制を発表する中、ドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツGmbHのスポークスマンは、英autosport.comに対し、フルシーズンでのエントリーは1台となり、スパとル・マンのみが2台になると明らかにした。
「純粋にリソースの問題だ。忘れてはならないのは、我々にとって昨年はテストと開発の年だった。今年は我々の最初のフルシーズンでの戦いになるが、1台での参戦を意味することだったんだろう」とTMGのスポークスマンは語っている。
autosport.comでは、唯一参戦する7号車はアレックス・ブルツとニコラス・ラピエールがドライブし、ル・マンで中嶋一貴が加わるだろうとしている。一方でTMGのスポークスマンは、トヨタが2013年の目標を下げていないとしている。
「目標はル・マン24時間で勝利し、世界選手権を獲得することだ。我々はまだ勝利に向けて真剣に取り組んでいる」
このコメントに関しautosport.comのライター、ゲイリー・ワトキンスは「トヨタは2013年シーズンの本命にならなければならなかった。今年、トヨタは1台で2台のアウディに対抗しなければならない。どんなブックメーカーでも、トヨタがチャンピオンを獲得する賭けの倍率を上げるだろう。特にマニュファクチャラー選手権については」と批判的に論説している。
「それぞれのメーカーのベストな車両がマニュファクチャラーポイントを獲得できるが、1台で参戦するトヨタには少しのエラーも許されない。ドライバーズチャンピオンシップは若干状況が異なるが、アウディは2台で柔軟な戦術をとってくるだろう。違いは決定的だ」