12日にチェッカーフラッグが振られた第79回ル・マン24時間耐久レースで、LMP2クラスはニッサンVK45DEエンジンを搭載した41号車グリーブス・モータースポーツのザイテック・ニッサンが優勝、2位に26号車シグナテック・ニッサンが入り、ニッサンエンジン車がワン・ツーフィニッシュを飾った。

 1986年に日本のニスモが参戦して以来、1990年には初のポールポジションを獲得するなど積極的にル・マンに参戦し続けて来たニッサン。1998年には日本人トリオが3位表彰台を獲得したが、99年を最後に日本からの“日産車”の参戦は途絶えていた。

 今季、LMP2クラスにニッサン/ニスモからスーパーGT用のエンジンをチューンしたVK45DEエンジンがデリバリーされることになり、欧州日産が積極的にスポーツカー活動をサポート。今回のル・マンには、最初にニッサンエンジンの供給を契約したグリーブス、そしてゲーム『グランツーリスモ』出身のアカデミードライバー、ルーカス・オルドネスを擁するシグナテック、さらに強豪チーム・オレカ・マットムートからもニッサンエンジンが投入された。

 サーキット内でも欧州日産は看板を多く設置したり、電気レーシングカーのNISSAN LEAF NISMO RCをカルロス・タバレス副社長が走らせるなど大きな関与をみせた。また、24時間の中継を行ったユーロスポーツでも頻繁にCMが流れるなど、日本からの直接のものではないにしても、“ニッサン復帰戦”の印象を残した。

 実際のレースでも、26号車シグナテック・ニッサンが予選でクラスポールポジションを獲得。レースでは、昨年のウイナーであるアメリカン・ホンダ製HPD ARX-01dと“日本車対決”が実現。リードを許したが、ニッサン陣営内を含め多くのマシンにトラブルが出る中、41号車グリーブス・モータースポーツのザイテック・ニッサンがトップに浮上してみせた。

 終盤、スリッピーな路面で41号車はスピンアウトを喫するがなんとか復帰。「僕らは常にプランどおりに単純に、トラブルを避けるように、コースに留まり続けるよう心がけた」とドライバーのトーマス・キンバースミスが語る通り、着実な作戦で見事勝利を獲得した。

 一方、26号車シグナテック・ニッサンは終盤にもパンクチャーに見舞われるも、なんとか走りきり3番手のローラ・HPDを抑え2位でフィニッシュ。チェッカー時には大きな日の丸に迎えられ、表彰台でもその日の丸を掲げてみせた。

「すごいことだ! 信じられないよ」と語るのは、グランツーリスモ/ニッサンのドライバーアカデミーで育ち、初めてル・マンに臨んだオルドネス。「子供の頃から憧れたル・マンに初めて挑んで、表彰台に立てるなんて今の気持ちを表す言葉が見つからない。もちろん、ル・マンは『グランツーリスモ』でも僕のお気に入りのコースのひとつだけど、実際のレースでこんな成績を収められるなんて!」と興奮したコメントを残した。

 レース後、シグナテック・ニッサンのピットの上には、今回のイメージカラーであるブラックのフラッグが掲出され、『NISSAN WE DID IT!!』の文字が大きく掲げられた。

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