1日に行われたル・マン24時間テストデーは、ニッサン/ニスモが今年のル・マンに投入するニッサンZEOD RCにとっても大きなステップアップとなったようだ。
環境技術を志向したマシンのための特別枠“ガレージ#56”から今年のル・マンに参戦するZEOD RC。エンジン駆動で回生を行った後、サルト・サーキットの1周を電力のみで走ることのできる技術を備えている。
今回のテストでは、ウォルフガング・ライプ/トミー・エルドスのふたりがドライビングを担当。燃料ポンプ系やエキゾーストの破損もあったということだが、8時間のテストで合計24周を走行し、LMP2クラスとLM-GTEクラスにちょうど挟まれる形で総合27番手につけた。
ニッサン・グローバル・モータースポーツダイレクターのダレン・コックスは、サルトを電力のみで1周するという目標の大きさを改めて痛感しながらも、「マシン開発の点で非常に重要なステップ」になったのだと語っている。
「我々が取り組んでいる、ル・マンの13.6kmコースを電力だけで走ることのできるマシンを作るという目標が、壮大なチャレンジなのだということは分かっていた。そして、なぜこれまで誰もこのプロジェクトに取り組んでこなかったのかを痛感している」とコックス。
「今日はコースの大部分を電力で走行することができ、とても有意義な内容となった」
「今日はシステムのテストと、電気モーターからガソリンエンジンへの切り替えが途切れなく行われることを確認することが課題だったんだ。他の場所でのテストも非常に価値があるが、ル・マンでの走行はここでなければできないからね」
なおこのテストデーに投入されたZEOD RCはテスト車両となっており、ル・マン本戦に向けてはイギリスで実戦仕様のマシンがテストを続けているという。11日に予選日を迎えるル・マン24時間では、今回のテストに参加したライプとともに、本山哲/ルーカス・オルドネスがステアリングを握ることになる。