第38回ADACチューリッヒ24時間レース(通称:ニュルブルクリンク24時間)の決勝レースは、16日の15時にチェッカー。優勝したのは予選8位から自分たちのペースを守って周回を重ねたヨルグ・ミュラー/アルグスト・ファルファス/ウベ・アルツェン/ペドロ・ラミーの#25 BMW M3 GT2(BMWモータースポーツ)だった。
#25 M3は残り2時間を過ぎた時点で、それまでトップを走行していた#9 ポルシェ911 GT3Rハイブリッドが突然ストップしたことでトップに浮上、最後まで大きなトラブルもなく走りきった。なおBMWの優勝は04~05年にM3 GTR(E46)で連勝して以来5年ぶりのこと。2位にはドミニク・ファーンバッハーのドライブする#43フェラーリF430 GTC、3位にはフェニックスの#97アウディR8 LMSがゴールし、ポルシェの連勝は4でストップすると同時に表彰台をも失う結果となった。
レースは7時間過ぎまでは連勝中の#1マンタイポルシェがリードしていたが、他車両との接触のダメージが大きくリタイアとなり、そこからは#99アウディR8、#9ポルシェハイブリッド、#2 アウディR8、3台による優勝争いとなった。しかし夜が明けた朝6時過ぎに#99 アウディR8がピットでミッション交換して脱落。さらに朝10時半ごろ、#9ポルシェハイブリッドと半周差の2位につけていた#2 アウディR8も右ドライブシャフトが折れてコースサイドにストップ。これで#9ポルシェは2位以下を周回遅れにして優勝は目前かと思われた。
ところがレースも残り2時間を切った13時過ぎに、#9ポルシェハイブリッドはエンジントラブルのためにコースサイドにストップ。これで#25 M3がついにトップに躍り出て残り2時間を走りきって優勝。5年ぶりのBMWワークス(運営はシュニッツァー)復活を見事な優勝で飾った。参加台数197台のうち完走したのは123台と、完走率は60%ほど。アクシデントやマシントラブルの多いレースとなった。
日本関係の車両は、ピーター・ダンブレック/ダーク・ショイスマン/田中哲也/星野一樹の#44ファルケンZの12位(SP7クラス3位)が最高位。木下隆之/飯田章/脇阪寿一/大嶋和也の#50レクサスLFAは18位(SP8クラス優勝)。清水和夫/吉田寿博/マルセル・エンゲルス/カルロ・ヴァン・ダムの#137 STIインプレッサは24位(SP3Tクラス4位)、山内一典/松田秀士らの#72レクサスIS-Fは59位(SP8クラス4位)でゴール。ミハエル・クルムが参加する#64日産370Zもはエンジン交換などトラブルに見舞われたが115位で完走。
アルミン・ハーネ/ヨッヘン・クルンバッハ/アンドレ・ロッテラーの#51レクサスLFAは、チェッカーは受けたものの周回数不足。#143ランサーエボリューションX、トム・コロネル/菊地靖らの#46トーヨーポルシェはともにリタイアとなった。
なお今回惜しくも優勝を逃したポルシェハイブリッドだが、7月31日~8月1日に開催されるスパ24時間にも出場する予定のようだ。