フェラーリは、2016年から導入される新たなGTE規定に沿った『フェラーリ488 GTE』での初走行を、8月はじめに行ったことを明らかにした。
ル・マンをはじめとするWEC世界耐久選手権やヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)、アジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)、北米のユナイテッド・スポーツカーで活用することができるGTE車両。もともとはGT2クラスをルーツにもち、ポルシェ911 RSRやフェラーリ458、シボレー・コルベット等の車両が存在する。
フェラーリ488は、458の改良型として今年はじめに発表された車両。今回、フェラーリのGTレーシングディレクターを務めるアントネッロ・コレッタは、458 GTEの後継車両となる488 GTEを8月はじめにバレルンガでテストし、ジャンマリア・ブルーニとダビデ・リゴンがステアリングを握ったことを明らかにした。
「本当にただのシェイクダウンで、来月(9月)から本格的な開発をスタートさせる予定なんだ」とコレッタ。
「そして、月末には他のマニュファクチャラーとともにラドゥー(※ミシュランのテストコース)でのBoPテストに参加する」
488 GTEは、今年3月にジュネーブモーターショーで発表されたロードゴーイングカーと同じく、3.9リッターのツインターボエンジンを搭載することになるという。16年から18年まで採用される新たなGTE規定では、FIA-GT3車両との差別化のため、従来のGTEよりもパフォーマンスアップが図られている。
「シミュレーションでは1秒半から2秒の間(のパフォーマンスアップ)となっているが、それを(実際の)計時で見たいね」
またコレッタによると、488 GTEでのプログラムの中心は、現在同様にWECでAFコルセが担うことになるという。なお、この488 GTEに関しては、リシ・コンペティツォーネがカスタマーチームとして来年1月のデイトナ24時間に参戦したいとの希望を持っているとみられているが、その準備が整っているかどうかは今回は明かされなかった。
なお、GTE車両と同じく488をベースとしたFIA-GT3車両は、コレッタによると半月以内にはテストのスケジュールが始まる予定とのこと。カスタマーには16年シーズン開始までにデリバリーされることになるという。