WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているトヨタは、今シーズン限りで現役を引退したアレックス・ブルツをチームのアドバイザー兼アンバサダーに任命したと発表した。
1974年生まれのブルツは、1997年にF1デビューを果たすと、2007年までに合計69レースに参戦した。また、1996年と2009年にはル・マン24時間総合優勝を果たした経験ももつ。2012年からはトヨタ陣営でTS030ハイブリッド〜TS040ハイブリッドのドライバーを務めてきた。
今季のWEC最終戦バーレーンで3位表彰台を獲得し、ドライバーとしての現役から退いたブルツ。今後は、トヨタのアドバイザーとしてドライバーやチームのアシストするとともに、ハイブリッド技術の開発をサポートするなどチームを内側から支えていくことになる。
さらに、引き続きGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエイション)の会長職にとどまるほか、コースデザインやドライバー育成のビジネスにも携わっていくということだ。
「レーシングドライバーとしてのキャリアの終わりが、僕とモータースポーツの関係の終わりではないことを日頃から願っていたから、トヨタと新しいスタートを切ることが出来るのはとてもうれしい」と今回の発表にあたってコメントしたブルツ。
「このプロジェクトの最初からずっと一緒にやってきて多くの経験があるから、チームの将来へと携われることにわくわくしている。2016年の新型車両で、WECの競争はさらに激化していくはずだ。僕たちが再び先頭集団で戦えるように、やるべきことはたくさんある。胸が高鳴るよ」
またチームの佐藤俊男代表は「アレックスが新しい役割でチームに残ってくれることになり、本当にうれしく思います。トップカテゴリーにおける彼の経験と知見がかけがえのないものであることは明らかですし、これからもチームにとって重要な役目を担ってくれることを期待しています」とブルツのさらなる活躍に期待感を示した。
