プレスインフォメーション
2014年11月04日
FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦、上海(中国)決勝
ポルシェ919ハイブリッドがデビューシーズン3回目の表彰台を獲得、911 RSRはワンツーフィニッシュ
日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のポルシェ919ハイブリッドが、FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦、上海(中国)の決勝レースにおいて今シーズン3回目となる表彰台を獲得いたしました。GTE-Proクラスでは、ポルシェ チーム・マンタイからエントリーした911 RSRが今シーズン2度目のワンツーフィニッシュを達成しました。
LMP1クラスでは、カーナンバー14の919ハイブリッドをドライブするロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組がポールポジションからスタートし、6時間のレースの末、3位でフィニッシュいたしました。ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組がドライブするもう1台の919ハイブリッド(カーナンバー20)は、33周目のタイヤ損傷で大きくタイムロスした結果、6位フィニッシュとなりました。それまでは、2台の革新的な919ハイブリッドは1位、2位を走行していました。
カーナンバー14のレース展開:
ロマン・デュマがポールポジションからスタートし、21周までトップを走行。その後もう1台の919ハイブリッドにその座を譲りました。デュマは序盤のセーフティカーフェーズ(1周目から8周目の終了まで)から33周まで走行し、給油とタイヤ交換のためにピットイン。64周で2台の強力なトヨタ勢に続き3位でクルマをマルク・リーブに託します。リーブは3位をキープし、95周で給油とタイヤ交換でピットイン、その後126周でニール・ジャニと交代しました。ジャニは158周でタイヤ交換と給油のためにピットに入った後はチェッカーフラッグまでのスティントを担当し、3位でゴールしました。
カーナンバー20のレース展開:
ブレンドン・ハートレーが3番手からスタートし、序盤のセーフティカー導入時にトヨタがピットに入ったため2位に順位を上げました。22周目にもう1台の919ハイブリッドのデュマをオーバーテークし、33周目の最初のピットストップまでレースをリードしました。しかし、そのわずか1周後にタイヤがパンクしホイールリムから外れたため、低速でピットに戻らなければなりませんでした。その結果、6位まで順位を落としました。66周でティモ・ベルンハルトがクルマを受け取りました。彼は97周で給油とタイヤ交換のためにピットに入り、128周を終えてマーク・ウェバーにコックピットを委ねました。ウェバーがドライブする919ハイブリッドは159周で給油とタイヤ交換のため最後のピットインを行い、6位のままフィニッシュラインを通過しました。
レース後のコメント:
ポルシェAGの研究開発担当役員であるヴォルフガング・ハッツのコメント:
「今回のウイークエンドは、LMP1クラスでの表彰台獲得と、GTE-Proクラスでの911 RSRによる1-2フィニッシュ達成で幕を閉じました。もちろん、カーナンバー20がパンクでタイヤの損傷を喫して、1周遅れになったのは残念でした。それでもLMP1でのポールポジションと表彰台、GTの1-2で、非常に良いウイークエンドだったと言えます」。
LMP1プロジェクトのトップであるフリッツ・エンツィンガーのコメント:
「これは驚くべきことだと思っています。ここ上海で私達は最初のシーズンの6戦目にして早くも2回目のポールポジション、3回目の表彰台フィニッシュを決めたのですから。ウイークエンドの出だしは困難でしたが、チームは予選ですばらしい進歩を遂げ、決勝ではクルマのポテンシャルを見事に引き出しました」。
LMP1チーム監督であるアンドレア・ザイドルのコメント:
「同じウイークエンドで、ポールポジションと表彰台を獲得したことは新たな成果です。また、数回不運に見舞われていたカーナンバー14のドライバー達が初めて表彰台に上ったのを見られてよかったです。今日は不運がカーナンバー20に降りかかりました。あのパンクがなければ、3位と4位に入っていたでしょう。この良い結果には少し驚いています。レースウィークが始まった当初からタイヤのグリップ不足と戦っていたにも関わらず優れたセッティングを見つけ出すことができ、自力で3位に入賞できたことは快挙と言えます。また、テクニカルな問題が発生しなかったこともプラスに評価できます。トヨタの1-2フィニッシュを祝福したいと思います。彼らが現在のベンチマークです」。
ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー 14)
ロマン・デュマ(36歳、フランス)のコメント:
「私のスティントはすばらしかったです。よいスタートが切れましたし、21周目まではトップを守ることができました。その後、それ以上のことはできませんでしたが、3位をキープすることができました。クルマは、最初は好調で、チームメートのブレンドンをリードしていましたが、彼は別のタイヤを履いていました。これは私達がタイヤの違いを評価したかったからです。クルマの調子は非常によかったのですが、スティントの終盤にかけて、特に第2セクターのような中速コーナーでパフォーマンスが不足していました。しかし、このトラブルを最小限に留めることに成功し、他の車両は私達をオーバーテークできませんでした。私達のクルマがストレートで速かったからです」。
ニール・ジャニ(30歳、スイス)のコメント:
「何度も手が届くかのように思えた表彰台に、ついに上ることができ、とても幸せです。レース序盤はアンダーステアと戦わなければなりませんでしたが、その後、クルマのバランスが回復し、アウディを抑えることができました。最後の最後には、大きなリスクは取らず、3位をキープして安全にゴールすることが課題で、それが幸い功を奏しました」。
マルク・リーブ(34歳、ドイツ)のコメント:
「私は中盤のスティントを担当し、今は大いに満足しています。私のスティントは順調で、ラップタイムも非常に安定していました。アウディとの差を維持することができ、トヨタに離されることもありませんでした。実際、少し差を詰めることはできましたが、彼らは速すぎて捕らえることはできませんでした」。
ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー 20)
ティモ・ベルンハルト(33歳、ドイツ)のコメント:
「私は真ん中のスティントを上手くこなし、特に問題もありませんでした。2015年シーズンに向けて多くを学んだことは確かです。周回遅れのクルマを抜くためにトラフィックで2回苦労しましたが、最大の問題はもちろんパンクでした。そのため6位まで後退してしまい、本当に悔しいです。パンクがなければ再度の表彰台を目指して戦っていたに違いありません」。
ブレンドン・ハートレー(24歳、ニュージーランド)のコメント:
「スタート時は快調で、最初の数周は平穏でした。ロマンと私はセーフティカー導入中もピットには入りませんでした。その後、2台の919ハイブリッドでちょっとしたバトルを愉しみました。クルマはすばらしいフィーリングでした。不幸なことに最初のピットストップ直後にパンクに見舞われました。コースに落ちていた破片を拾ったに違いありません。これは非常に不運で、多くの時間をロスしました」。
マーク・ウェバー(38歳、オーストラリア)のコメント:
「今日は、大きな遅れを取り戻さなければなりませんでした。そして最後にはそれ以上よいポジションを上げるのが不可能でした。ブレンドンがあのパンクに見舞われたのは不運のせいで、それもピットアウト直後に発生したため、ピットに戻るために長い距離をゆっくりとドライビングしなければなりませんでした。これはレース結果に大きく響きましたが私達にはポテンシャルがありました。ブレンドンとティモ、そしてクルー全員がすばらしい仕事をしました。これは富士での3位にも優るとも劣らないチームの活躍だったと思います」。
GTE-Proクラスは大きな成功を収めました。中国の経済的な中心地となっている上海の郊外にあるグランプリサーキットにおいて、4万5,000人の観客を前に、ポルシェ チーム・マンタイからエントリーした911 RSRが今年2度目のワンツーフィニッシュを達成しました。167周後、勝者としてフィニッシュラインを通過したのは、フランス人のポルシェのワークスドライバー、フレデリック・マコヴィッキ/パトリック・ピレ組でした。2位となったのは、同じワークスドライバーの同僚、イェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組でした。現在、マニュファクチュアラーランキング2位のポルシェは、この成功によってタイトル争いに向けてさらに前進しました。
上海インターナショナルサーキットにおけるワンツーフィニッシュは、チーム全体による完璧な仕事を通じて得られた成果です。スポーツカーのアイコン、ポルシェ911の第7世代をベースとした最高出力470PSの911 RSRは、悪天候のもとで行われたフリー走行で重要な予選に向けて完璧なセットアップを見つけることができました。予選ではポルシェのドライバーは2位と3位につけ、日曜日のレースではこれを夢のような結果に変えました。パトリック・ピレはレースの最後の3分の1でGTクラスのトップに立ち、その直後にはイェルク・ベルクマイスターが前方のフェラーリを追い抜きました。この2台はチェッカーフラッグを受けるまでこのポジションを守り抜き、シルバーストーンでの開幕戦以来、ポルシェにとって2度目のワンツーフィニッシュをつかみ取りました。
有名な体操選手マゼル・ニューエンは、ピットから直接このポルシェの偉業を目の当たりにしました。ポルシェのVIPゲストとして上海でのレースを見守ったニューエンは、2012年のオリンピックでは2種目で銀メダルを獲得、2012/13年のワールドカップでは総合優勝を果たしましたが、同時に熱心なモータースポーツのファンでもあり、ポルシェ ケイマンGTSを運転しています。ニューエンは中国で定期的にトレーニングを積んでおり、中国のファンの間ではポップスター同然の地位を築いています。このことは、レース前に行われた恒例のサインセッションでも一目瞭然でした。ニューエンのサインは、有名なレーシングドライバーのサインと同じくらい人気がありました。
ポルシェAGの研究開発担当役員、ヴォルフガング・ハッツのコメント:
「完璧な週末でした。2度目となるワンツーフィニッシュ、これ以上の結果は望めません。これにより、マニュファクチュアラータイトルに向けて大きく前進することができました。タイトル争いに全力を傾けながら、残るバーレーンとサンパウロの2つのレースに向けて取り組んでいきます。」
ポルシェのモータースポーツ部門GTカテゴリーのトップ、フランク=シュテッフェン・バリサー博士のコメント:
「大変喜ばしい結果です。6時間にもおよぶスプリントレースは、本当にタフな戦いでした。チーム、ドライバー、エンジニアは、すべてを完璧にこなしました。こうして再びチャンピオンシップ争いに復帰し、これまで以上に高いモチベーションを持って次のバーレーンでのレースに臨むことができます。」
パトリック・ピレ(ポルシェ911 RSR、92号車)のコメント:
「私にとってWEC初勝利です。今日のレースは完璧で、すべてがスムーズにいきました。すばらしい車、完璧なピットストップ、正しい戦略でした。今からバーレーンが楽しみです。」
フレデリック・マコヴィッキ(ポルシェ911 RSR、92号車)のコメント:
「何という日でしょう。チームは申し分のない仕事をし、この結果を誇ることができます。私達の911 RSRはバランスに優れ、最初から安定した速さを見せつけました。迷いなく最高のレースに数えられます。」
イェルク・ベルクマイスター(ポルシェ911 RSR、91号車)のコメント:
「ポルシェにとって夢の結果です。メーカー選手権争いへ加わるために重要であるだけでなく、フレデリックもドライバーズタイトル争いで大きく前進しました。トロフィーを目指し、何も不可能なことはありません。」
リヒャルト・リーツ(ポルシェ911 RSR、91号車)のコメント:
「本当にタフなレースで、タイヤにもよく気を配る必要がありました。メカニックはタイヤ交換ですばらしい仕事をしてくれました。ワンツーフィニッシュとは夢のような結果です。シーズン残りに向けて、いっそう意欲が湧きます。」
世界トップクラスの体操選手、マゼル・ニューエンのコメント:
「私は単に観戦していただけなのに、こうした6時間レースというのは本当に神経が疲れます。ポルシェがワンツーフィニッシュして大喜びしています。ここ数日でドライバーたちをよく知るようになり、この重要なレースに向けた準備を直に見てきました。これほど現場の近くにいることができ、本当にわくわくしました。すばらしい取り組みをしたチームに、おめでとうと言いたいと思います。」
全8戦が組まれている世界耐久選手権(WEC)の第7戦は、11月15日、バーレーンのサヒールで行われます。