レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WECニュース

投稿日: 2011.05.30 00:00
更新日: 2018.02.16 02:42

ポルシェ 911GT3RハイブリッドがVLNで勝利


プレスインフォメーション
2011年5月30日

ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップ第4戦

効率性を追求したポルシェ 911 GT3 R ハイブリッドが初勝利を飾る

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)の911 GT3 Rハイブリッドは、ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップの第4戦においてポルシェのワークスドライバーである、リヒャルト・リーツ(オーストリア)、マルコ・ホルツァー(ドイツ)、パトリック・ロング(米国)によるドライブで初勝利を飾りました。

 ライバルたちはそのほとんどが3回の給油を余儀なくされたのに対し、さらなる最適化が施された911 GT3 Rハイブリッドは2回の給油でレースを走り切りました。また、効率性に優れる911 GT3 RSRも同レースに参戦し、ポルシェ ファクトリードライバーのマルク・リーブ(ドイツ)、ロマン・デュマ(フランス)と、マンタイ・レーシングのドライバーであるルーカス・ルール(スイス)がピットストップの回数を2回にとどめ、ポルシェのワン・ツーフィニッシュが実現しています。

 911 GT3 Rハイブリッドが2011年度のニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップに出場するのは今回が2度目であり、6月25、26日のニュルブルクリンク24時間に向けた準備が本格化する中で、素晴らしい結果となりました。ポルシェのモータースポーツ部門を指揮するハルトムート・クリステンは、「私達は、車両の技術レベルとハイブリッドシステムの信頼性に満足しています。他のライバルチームよりも燃料消費量を抑えることでピットストップの回数が1回少なく、しかも素晴らしいラップタイムを刻むことができました。これがポルシェ インテリジェント パフォーマンスです。私が特に感激したのは、マンタイ・レーシングの911 GT3 RSRもポルシェ911シリーズの優れた効率性をいちだんと発揮して2位に入ったことです」と話しています。

 911 GT3 Rハイブリッドの改良を進めていくうえでの優先課題は、まさしくその効率性を向上させることでした。そのため、ハイブリッドコンポーネントを含めた車両重量は、1,350kgから1,300kgへと軽量化が図られています。特にハイブリッドコンポーネントについては、最適化によって20%の軽量化が実現しました。なお、ハイブリッドシステムの全般的なレイアウトについては、2010モデルのレイアウトが継承されています。

 フロントアクスルに置かれた2つの電気モーターは、どちらも出力が60 kWから75 kWへとアップしました。これによってドライバーは、1回あたり数秒間、約140 kW( 200 PS)のパワーブーストを思いのままに利用することができます。これはニュルブルクリンク北コースを走る際のラップタイプで考えた場合、約23 kW(32 PS)のパワーアップが図られることと同じになります。このパワーブーストは、アクセルペダルを踏んだ際に自動的に得られるようにするか、オーバーテイクの時に手動で利用できるようにしておくかをプログラミングすることができます。前輪を駆動するフロントアクスルにこうした改良が施される一方、後輪を駆動する4リッター水平対抗6気筒エンジンは出力が465 PSに抑えられるとともに燃費が最適化されました。

「ハイブリッドシステムを搭載した私達の911は正確な走りを見せることができました。テクノロジーの信頼性が高いことと低燃費であることはもちろん、私たち全員が同じような速いスピードで走れたことと、誰もミスを犯さなかったことが、今日の成功をもたらした大きな要因です」と、チームメートのリヒャルト・リーツは語っています。

 イエローとグリーンのカラーリングを纏ったマンタイ・レーシングのポルシェ911 GT3 RSRも、ミスのないレースを展開しました。マルク・リーブ、ロマン・デュマ、ルーカス・ルールによって2位に入ったこのチームは、トップとの差はわずか7秒でした。レース後、スターターを務めたマルク・リーブは、「私がティモ・ベルンハルトやロマン・デュマと乗る911 GT3 Rは、不運にも他の車によってコースアウトさせられてしまいましたが、それを除けば、ほぼ完璧なレースでした」と、話しています。


関連のニュース