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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2011.09.20 00:00
更新日: 2018.02.16 04:51

ポルシェGT3Rハイブリッド、6時間で3回ピット敢行


プレスインフォメーション\t2011年9月20日

アメリカン・ル・マン・シリーズ第8戦、ラグナセカ

ALMS:ポルシェ911 GT3 Rハイブリッド–効率が成功のカギ

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)の911 GT3 Rハイブリッドは、カリフォルニア州モントレーのラグナセカで開催されたアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)第8戦において、その速さと効率を発揮しGTクラスのすべてのライバルたちを凌駕いたしました。

 米国西海岸のデビュー戦となったラグナセカでポルシェのワークスドライバー、ロマン・デュマ(フランス)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は、このテクニカルコースでレースの最速ラップを叩き出しただけでなく、6時間におよぶレースで他のGT車両がピットストップを5回行ったのに対し、3回のみでレースを完走し、インテリジェントパフォーマンスを感動的なかたちで証明して見せました。

 またタイトルディフェンダーであるイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/パトリック・ロング(米国)組は、ラグナセカで911 GT3 RSRをドライブし、フィニッシュまで接戦となった世界最速のスポーツカーが競うGTクラスを制し、シーズン初となる勝利を飾りました。ポルシェにとってはミッドオハイオ戦およびボルチモア戦に続くALMSでの今シーズン3勝目となります。

 ポルシェ911 GT3 Rハイブリッドは、カリフォルニアでもファンの大きな注目を集めました。このヴァイザッハ生まれのスポーツカーは、このレースでは最後尾グリッドからのスタートでポイントも与えられないにもかかわらず、わずか数周で前走車をすべて抜き去りトップに躍り出て、グランドスタンドを沸かせました。911 GT3 Rハイブリッドは、まったく新しいドライブコンセプトによる安定した速いペースと優れた燃費で周回を重ね、他のGTクラスの全車両を抑えてフィニッシュし圧倒的な性能を見せつけました。

「比較的簡単にライバル車を抜くことができたので、特にスタート後の数周が愉しい体験となりました」とロマン・デュマが話しています。「しかし、もっと愉しかったのが燃費のよさのおかげで他の車両では不可能な作戦が取れたことです。

 私達は柔軟性の点でも大幅に優れ、今日のレースではこれを最大限に活かすことができました」。リヒャルト・リーツは、「私達は全チームの中でピットストップ回数がもっとも少なく、ポルシェ911 GT3 Rハイブリッドの実力をはっきりと証明できました。メカニカルトラブルは何ひとつなく、他のGTクラスのライバルたちを退け、期待以上の結果が出ました」と語りました。

 激戦が展開しているGTクラスでは、コース上やピットでの闘い、そしてトップが目まぐるしく入れ替わる、スリルと興奮に満ちた壮絶なレースとなりました。そして、日没後のラグナセカ・レースウェイでの最後の2時間は、さらにヒートアップすることになります。残り2周で、フライングリザードモータースポーツのポルシェ911 GT3 RSRを駆るイェルク・ベルクマイスターがBMWをかわして2位に浮上、しかし、アメリカン・ル・マン・シリーズでもっとも成功しているGTドライバーはそこでは終わりませんでした。彼は優勝にターゲットを絞り、最終ラップで前を行くトップのフェラーリをオーバーテークしたのです。

「これが私達のシーズン初勝利です。ようやく、という感じでもありますが、そろそろ勝ってもいい頃だとも思っていました」とイェルク・ベルクマイスターがコメントしています。「私達のクルマはコースで最速ではありませんでしたが、チェッカーまで諦めず戦い、その姿勢が報われました。最終ラップで3位から1位を奪う。スポーツカーメーカーが全力でしのぎを削るALMSで、そんな体験は滅多にできるものではありません」。これに続きパトリック・ロングは、「イェルクが今日のレースの立役者です。できる限り小競り合いは避けて、終盤の勝負のために車両を温存するのが今日の私達の作戦でした。この作戦はよい結果につながりましたが、明らかにドライビングが激しすぎる他のチームのドライバーもいたため、危うくリタイヤに追い込まれそうな場面もありました」と述べています。

 フライングリザードモータースポーツのもう1台のポルシェ911 GT3 RSRは、ポルシェのワークスドライバー、マルコ・ホルツァー(ドイツ)とアメリカ人ドライバーのセズ・ニーマンが操り、9位でゴールしています。「このサーキットは初めてでしたが、米国屈指のコースだと思います。このレースはすばらしい体験になりました」とホルツァーは話します。「よい結果が出せて満足しています。とても楽しいレースでした」。サシャ・マーセン(ドイツ)/ブライス・ミラー(米国)組が駆るポールミラーレーシングのポルシェ911 GT3 RSRは10位フィニッシュという結果でした。

 ミッドオハイオ戦とボルチモア戦で優勝しているウォルフ・ヘンツラーは、ラグナセカでは運に見放されました。このドイツ人のポルシェ ワークスドライバーは、ポルシェ911 GT3 RSRをチームメートのブライアン・セラーズ(米国)から受け取り、トップを狙える位置につけていましたが、レース中盤に差しかかる直前、リアに衝突されてしまいます。この衝撃で、
ウォーターポンプが破損し、好調だったファルケンタイヤチームにストップがかかりました。「特にこれまで好調だっただけに、このようなかたちでリタイヤするのはもちろん非常に残念です」とウォルフ・ヘンツラーが語ります。「しかし、ロードアトランタをよい結果で締め括りチーム最高のシーズンとするため、気合いを入れて行かなければなりません」。

 アメリカン・ル・マン・シリーズの第9戦(最終戦)は、10月1日にジョージア州ブラセルトンのロードアトランタ・サーキットで開催されます。

 アメリカン・ル・マン・シリーズの第8戦で各ポルシェ チームが優勝の栄誉を目指して戦っていた頃、オハイオ州レキシントンにあるミッドオハイオ・スポーツカーコースでは、このレース同様の人気を誇るグランダムシリーズの最終戦が開催されていました。強豪カスタマーチームであるブルモス・レーシングが投入した軽量911 GT3 RSスポーツカーをベースとしたポルシェ911 GT3カップを操るアメリカ人ドライバー、リー・キーン/アンドリュー・デイヴィス組が4位に入り、タイトルを獲得しました。ポルシェにとっての今シーズンのハイライトは、フロリダ州で開催されたデイトナ24時間レースで911 GT3カップのダブル優勝でシーズンをスタートさせたことです。

レース結果: アメリカン・ル・マン・シリーズ第8戦、カリフォルニア州ラグナセカ
GTクラス
1. ベルクマイスター/ロング組(ドイツ/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、236周
2. ミュラー/ハンド組(ドイツ/米国)、BMW M3 GT、236周
3. メロ/ビランダー組(ブラジル/フィンランド)、フェラーリF458イタリア、236周
4. シャープ/ファン・オーバービーク組(米国/米国)、フェラーリF458イタリア、236周
5. ヴェルナー/オーバーレン組(ドイツ/米国)、BMW M3 GT、236周
6. マグナッセン/ギャビン組(デンマーク/イギリス)、シボレーコルベット、236周
9. ホルツァー/ニーマン組(ドイツ/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、230周
10. マーセン/ミラー組(ドイツ/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、224周

GTCクラス
1. パンペリー/エンデ組(米国/米国)、ポルシェ911 GT3カップ、222周
2. J.ブリークモラン/パパス/S.ブリークモラン組(オランダ/米国/オランダ)、ポルシェ911 GT3カップ、222周
3. ルザッフル/フォークナー組(米国/アイルランド)、ポルシェ911 GT3カップ、221周

GTクラスポイントスタンディングス
ドライバー部門
1. ディルク・ミュラー、ジョーイ・ハンド(BMW)145ポイント
2. オリバー・ギャビン、ジャン・マグナッセン(シボレー)110ポイント
3. ディルク・ヴェルナー、ビル・オーバーレン(BMW)101ポイント
4. ジェイミー・メロ、トニ・ビランダー(フェラーリ)90ポイント
5. ウォルフ・ヘンツラー、ブライアン・セラーズ(ポルシェ)77ポイント
6. イェルク・ベルクマイスター、パトリック・ロング(ポルシェ)76ポイント

マニュファクチュアラー部門
1. BMW、145ポイント
2. ポルシェ、132ポイント
3. シボレー、114ポイント
4. フェラーリ、109ポイント

チーム部門
1. BMWチームRLL(BMW)145ポイント
2. コルベットレーシング(シボレー)114ポイント
3. リシ・コンペティツィオーネ(フェラーリ)90ポイント
4. チームファルケンタイヤ(ポルシェ)77ポイント
5. フライングリザードモータースポーツ(ポルシェ)75ポイント


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