●予選
セブリング12時間レース予選でマツダ2台に異変あり
フロリダ州セブリング国際レースウェイで3月14日に12時間レースの公式予選が行われ、それまで順調だった2台のマツダLMP2 SKYACTIV-Dレーシングにはそれぞれトラブルが発生。ベストタイムを更新することはできませんでした。
朝から快晴となり日中の最高気温が25℃にも上昇したセブリングで、午前中に行われた4回目のプラクティスでは順調に周回していた2台のマツダ・プロトタイプでしたが、午後5時30分から15分間の予選では、思うような走りができませんでした。
#70は新人のベン・デブリンが予選ドライバーに指名され、彼は意気揚々とコースインしましたが、インタークーラーからエンジンへ圧縮空気を送るパイプからエアが漏れはじめたためエンジンパフォーマンスが上がらず、プラクティスで安定的に周回していたラップタイムを更新することができませんでした。一方の#07には18歳のトリスタン・ヌネスが乗り込み、タイムアタックに臨みました。しかし、こちらも走行開始直後から燃圧があがらず、エンジンへのダメージを心配したチームは走行中止を決断。公式ベストタイムをリザルトシートに残すことができませんでした。
ヌネスは、「午前中のプラクティスは非常に好調で何も案じることはなかったのですが、いざ予選となるとフューエルプレッシャーが上がりきらず、攻めることができませんでした。チームが原因を調べていますが、燃料ポンプか、もしかすると電気系のトラブルなのかもしれません。それでもエンジンそのものにはダメージはなく、クルーチーフが明日のレースは問題ない、と言っているので僕は楽観視しています」と語っていました。
ここにきて少し心配な予選結果となってしまいましたが、15日土曜日の朝予定されている20分間のフリー走行で復調が確認されれば、10時15分からの決勝レースは2台揃って出走できるでしょう。
●決勝
マツダLMP2 SKYACTIV-D、セブリング12時間で初完走
TUDORユナイテッドスポーツカー選手権第2戦セブリング12時間レースは、3月15日(土)に決勝レースが行われ、マツダUSAのオフィシャルチームであるスヒードソースから出場した#70マツダLMP2 SKYACTIV-Dレーシング(シルペイン・トレンブレイ/トム・ロング/ベン・デブリン)がフィニッシュラインをクロスし、プロトタイプクラス17台中11位で完走を果たしました。
チームは5時間経過時点で、もう一台の#07マツダLMP2 SKYACTIV-Dレーシング(ジョエル・ミラー/トリスタン・ヌネス/トリスタン・ボーティエ)をサスペンションのトラブルで失っています。前日インタークーラーのパイプシールの問題で予選を満足に走れなかった#70マツダ・プロトタイプは、決勝レース日の朝行われた25分間のフリープラクティスセッションから快調な走りを見せ、決勝レース12時間の間もトラブルフリーで走り抜きました。
ピットイン回数は11回で、プロトタイプクラス上位車の12回~13回と比べると燃費の良さは明らかです。しかし、12時間目を迎える少し前に念のためにイレギュラーなピットインを一度行っています。これがなければ10位で完走することができたでしょう。また、今回からチームに加わったベン・デブリンの安定した速さが目立ちました。アメリカンルマンシリーズ時代にダイソンレーシングのローラ・マツダ(2リットルガソリン・ターボ)で出場していた経験が活きたことになります。
マツダUSAのモーテースポーツダイレクターのジョン・ドゥーナンは、「私たちはデビュー2戦目で完走することができましたが、これはまだ最初のステップに過ぎません。私たちの目標は完走することではなく、トップ争いをすることです。SKYACTIV-Dエンジンの特徴を最大限に活かせるよう開発をすすめ、早く速さを身につけたいと思います」と語っています。
TUDOR選手権(TUSC)の次戦は、4月12日(土)にロングビーチ(カリフォルニア州)で行われます。