第78回ル・マン24時間耐久レースは13日、24時間の長き戦いにチェッカーフラッグが振られ、マイク・ロッケンフェラー/ティモ・ベルンハルト/ロマン・デュマ組9号車アウディR15 TDIがトップでチェッカー。8号車、7号車と続き、アウディがワン・ツー・スリー・フィニッシュを飾った。
オレカ・プジョーの怒濤の追撃もエンジンブローにより終わりを告げ、次いで4番手に浮上した009号車ローラ・アストンマーチンもリタイアとなった終盤のル・マン。残り1時間となり、新たな4番手オレカ・エイムとの間隔が大きく開いている状況となったアウディ勢はクルージング体制となった。
迎えたチェッカー。アウディR15は3台が揃い、9号車はティモ・ベルンハルトが、8号車はブノワ・トレルイエが、7号車はディンド・カペッロがドライブ。恒例の“デイトナ・フィニッシュ”を成し遂げた。
チェッカー後、完膚無きまでに敗北することとなったプジョー・スポールのオリビエ・ケネル代表はアウディ・スポーツのヴォルフガング・ウルリッヒ博士のもとを訪問。健闘を讃えあい、ウルリッヒ代表は感涙に噎び泣いた。2位でチェッカーを受けた8号車のアンドレ・ロッテラーは、「最後のスティントを終えた後はすごくエモーショナルな気持ちになった」とオートスポーツwebに語っている。
アウディ勢は予選からプジョー勢にスピードでは後れを取り、序盤戦で7号車が周回遅れのBMW M3 GT2と接触、ウルリッヒがBMWのピットに押しかける場面が見られたり、優勝した9号車がピットでカメラマンと接触するなど波乱含みの展開となったが、プジョー勢の相次ぐトラブルにより上位進出。表彰台を独占する結果となった。
一方のプジョー勢はポールポジションの3号車がレース序盤で離脱。さらにトップに立った2号車、追い上げをみせていた1号車がエンジンブローに見舞われ、終盤アウディ勢に追いすがった4号車オレカ・プジョーもエンジンが音を上げるなど、まさに“悪夢”のような展開に。指揮官のオリビエ・ケネルは前年の優勝劇から一転のレースに号泣した。
LMP2クラスは、総合でも5位に食い込んだHPD ARX-01Cが優勝。“日本車”として見事クラス優勝を果たした。今回が引退レースとなった野田英樹が乗り込むKSMのローラ・ジャッドは総合26位でチェッカーを受けている。
LM-GT2クラスはチーム・フェルバーマイヤー-プロトンのポルシェ997がハンコック-チーム・ファーンバッハーのフェラーリに2周差をつけ優勝。3位はBMSスクーデリア・イタリアのポルシェに。LM-GT1クラスはラルブル・コンペティションのサリーンが優勝。リュック・アルファン・アベンチュアのコルベットC6.Rが2位に入った。