第80回ル・マン24時間耐久レースはスタートから20時間が経過。ついにレースは終盤戦を迎えた。現在トップは1号車アウディR18 e-トロン・クワトロだが、2秒前後の差で2号車が追走しており、接近戦のまま最終局面を迎えている。
レース半分を消化せずに序盤戦を盛り上げたトヨタ勢が姿を消したことで、アウディ勢同士のバトルがレースの焦点となった今季のル・マン24時間。午前8時を過ぎたあたりで、3号車アウディR18ウルトラを駆るロイック・デュバルが激しいプッシュをみせ、12号車ローラ・トヨタを攻略。ついにここでアウディ勢のトップ4独占が形成されることになった。
しかし、その直後トップを走っていた1号車アウディが、アルナージュの立ち上がりでスピンしていたマシンを避けるためにグラベルに飛び出し、リヤエンドをわずかにヒット。リヤのボディが破損してしまう。このため、8時30分すぎに行われたルーティンワークの際に、1号車はガレージイン。2分16秒という短時間でボディパネルを交換する早業をみせたが、2号車がアウディR18 e-トロン・クワトロわずかに先行。1号車はピットアウト時に2号車に並びかけるが、オーバーランを喫し2号車の先行を許した。
その後も2号車と1号車は僅差の争いを展開するが、11時を過ぎたあたりになると、その間隔は1.5秒程度〜2.5秒程度の間隔になり、場内モニターに2台が1フレームで映るようになる。1号車を駆るブノワ・トレルイエは、スーパーGT仕込みのテクニックを披露し2号車の追随を許さないものの、現在もピットインのタイミングにより順位が入れ替わるような展開となっている。
一方、3番手には4号車アウディR18ウルトラ、4番手には3号車と続く展開が続いていたが、4号車は10時37分、59分にコース上で突如スローダウン。ただし、すぐに復活しレーシングスピードに戻っており、現在も3番手は譲っていない。3〜4番手の間隔は現在5周前後だ。
5番手にはレベリオン・レーシングの12号車ローラ・トヨタが走行しているが、チームメイトの13号車はトラブルが発生したかガレージイン。22号車HPD ARX-03aが6番手につけた。
LMP2クラスは44号車HPD ARX-03bが首位を堅持。46号車、49号車のオレカ・ニッサン勢が2〜3番手につけている。中野信治が乗り込む45号車オレカ・ニッサンはクラス10番手で走行を続けているが、黒澤治樹が乗り込む38号車ザイテック・ニッサンは10時37分にメゾン・ブランシュでクラッシュ。リタイアを喫した。
LM-GTEプロクラスは51号車フェラーリがトップ。59号車フェラーリが2番手、97号車アストンマーチン・バンテージが3番手と、トップ3不変のまま終盤戦を迎えている。