今年5月に経営破綻に見舞われたローラ・カーズについて、ローラの商標を管理しているローラ・グループ・ホールディングは17日、カナダのマルチマチック・エンジニアリングとアメリカのカール・ハース・オートモービルと契約、今後のLMPプロジェクトのカスタマーサービスを継続して行うと明らかにした。
1958年にエリック・ブロードレイにより設立されたローラ・カーズは、スポーツカーレースやフォーミュラ用のシャシーを数多く製作。現在もル・マンシリーズに参戦するプライベーターがLMP1用のB12/60とLMP2用のB12/80を使用しているが、5月に財政的な問題を抱え経営破綻していた。
5月の破綻後、投資や買収できる相手を探す交渉が続けられていたが、相手が現れず10月に売却交渉を中止。その後、ローラの商標はローラ・グループ・ホールディングの管理下に置かれていた。
そんな中、17日にローラ・グループとマルチマチック、ハースは共同でプレスリリースを発行。マルチマチックが今後ローラLMPのエンジニアリングサポートを継続して行い、ハースがスペアパーツの供給を行うと明らかにした。
ローラ・グループのオーナーであるマーティン・ビラニーは、「ローラブランドは継続していく。今回、マルチマチックとハースと合意に至ったことにより、ローラのレーストラック上での成功は続いていくことになった」と語る。
「ローラ、マルチマチック、ハースの間の緊密な結びつきは、すべてのローラシャシー使用チームにとって有益な結果にならなければならない」
マルチマチックは今回の合意について、将来ローラブランドの新車を作ることが可能であり、またLMP1/P2ともに開発を続けることが可能になるとしている。なお、今回の合意はスポーツカーのほか、シングルシーターにもカバーされるという。
マルチマチックは、カナダに本拠を置く自動車パーツ等ノマニュファクチャリング/エンジニアリング企業。カール・ハース・オートモーティブは、元ドライバーでニューマン・ハース・レーシングの共同オーナーでもあるカール・ハースによって1960年に設立された会社で、ローラのほかパノスやヒューランド、ダイナミックなどのレーシングカーパーツを扱っている。