今年は5月16日〜17日に決勝レースが行われるニュルブルクリンク24時間レース。25kmを超える“グリーンヘル”で開催されるこのレースの難しさや参戦の意義、そして今年のレースに向けた展望や意気込みを、4月25日に行われたニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)第2戦の現場で、メーカーワークスのドライバーたちに聞いた。


ニコ・ミューラー(アウディ):アウディR8 LMS
「アウディからGTカーをドライブする機会を与えてもらっているけれど、とてもいい勉強になるよ。特に、ニュルやスパの24時間レースだとか、ブランパン耐久シリーズはとてもトラフィックが複雑で、速く走ることよりも、その合間をすり抜けながらバトルするのが至難の業なんだ」

「ノルドシュライフェはエスケープゾーンがなく、一瞬のミスさえも許されない。アドレナリンが強烈に出てたまらなくクレイジーな、あのスリルとバトルが楽しくて仕方がないんだ。僕らアウディワークスドライバーは、来年発売の開発車(アウディR8 LMS)で参戦するんだけれど、現行モデルよりもエンジンパワーも高く、空力も進化していて、そのポテンシャルには目を見張るよ。WRTと僕たちのドライバーラインアップでは怖いものなしだ。優勝目指して頑張るよ!」


クリストファー・ハーゼ(アウディ):アウディR8 LMS
「僕が所属するのはニュルブルクリンクに本拠地を構えるフェニックスチームだから、みんなとてもリラックスしている。VLN2は、予行練習として冷静な頭で最終調整に臨んでいるよ。僕は2度の総合優勝を果たしているけど、それはもう過去のことだ。また新たな気持ちでチームメイトやクルー、アウディと協力して何度でも優勝したいと思っている。優勝以外の目標は考えていないよ」

「ノルドシュライフェは目まぐるしく変わる天候と世界で最も難関コースと呼ばれているレイアウトだけあって、何度走っても毎ラップがいつも勉強だよ。24時間レースのファンも会場の雰囲気もとても独特で、あのスタートに立つ日が待ち切れないね」


星野一樹(ニッサン/ニスモ):ニッサンGT-RニスモGT3
「(ニュル24時間は)今年で7回目のチャレンジとなります。今年はタイヤがピレリからミシュランに変わり、マシンの性能も昨年モデルから随分とアップデートされているので、このGT-Rで地元ヨーロッパの強豪揃いの中でどこまでの位置にいけるのか、自分自身としてもチームとしても大きなチャレンジだと思います。24時間レースの本番までにタイヤとニューマシンの組み合わせを試す機会がほとんどないので、その限られた時間の中でちょうど合うセットアップのポイントを見つけ出したいですね。また今年も新たな気持ちをもって、このニュルへ挑みたいと思っています」


マキシム・マルタン(BMW):BMW Z4 GT3
「今年のBMW Z4 GT3はアップデートはなく、ものすごく小さなリストリクターを装着しなければいけないからとても苦労している。もちろん全力を尽くすけれど、アウディやメルセデスはとても速いね。トップスピードではとても敵わないから、よく戦略を練る必要があると思う」

「ニュル24時間はいつもコース上が大混雑するから、遅いクラスのマシンがうまく僕たち速いマシンに反応してくれればいいのだけれど、そうはいかないのでタイムを出すのは簡単じゃないね。今年は特に各自動車メーカーにトッププロドライバーが集うので、彼らとのバトルをとても楽しみにしているよ。ニュルとスパの24時間レースで優勝するのが僕の長年の夢だから、絶対にいつか叶えたいね!」


アウグスト・ファーフス(BMW):BMW Z4 GT3
「VLN2はかなりのヘビーレインになったから、僕たちは本気でレースを走ると言うよりも24時間の本番に雨が降ったシチュエーションを見据えて予行練習に徹することにしたんだ。一人で戦うDTMと違って24時間レースはチームワークがとても重要になるから、誰ひとりのミスも許されないし、それぞれが良い仕事をしない限り優勝は狙えない。VLN2ではそれをチームメイトと十分に確認し合ったし、良いコンディションで臨めそうなので、気分よく24時間レースを迎える事が出来るよ。その前に、DTMのホッケンハイムでの開幕戦もとても楽しみだけどね」


ヨルグ・ベルグマイスター(ポルシェ):ポルシェ GT3R
「ここ最近はポルシェワークスがニュルにご無沙汰しているから、VLNやニュル24時間を走るのは久しぶりなんだ。とても楽しみにしているよ。VLN1で起きた事故を受けて、速度制限などのレギュレーションが変わったから、僕自身がよく考えながら走らないといけない。コースの感触も毎ラップごとに新たに学ぶことが多いよ。今回はフリカデリ・レーシングの助っ人ドライバーとして参戦する。トラブルなしに完走することがいちばん重要だけど、みんなで力を合わせてトップ5に入れるよう頑張るよ」


マティアス・ラウダ(アストンマーチン):アストンマーチン・バンテージGT3
「ニュルブルクリンク24時間に挑戦するのは2012年以来で、2度目の参戦になる。VLN以外で雨のノルドシュライフェを走った事がないからそのコンディションを楽しみにしていると同時に、このレースは僕自身にとって大きなチャレンジでもあるんだ」

「WEC(世界耐久選手権)でドライブしているLM-GTEのアストンマーチン・バンテージV8と(ニュルでドライブする)アストンマーチン・バンテージGT3を比べても、ほとんど差はないよ。空力はちょっと少ないけれど、GT3の方が馬力もあるし、ABSもついているからノルドシュライフェではLM-GTEよりもGT3の方が適していると思う。ノルドシュライフェは全てのドライバーにとって特別な場所であり、走る喜びは言葉では表し尽くせないよ」

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