WEC世界耐久選手権第7戦富士6時間で優勝を飾った7号車トヨタTS030ハイブリッドの中嶋一貴が、決勝後の記者会見で優勝の喜びを語った。

 前日の予選では一発のアタックを決めポールポジションを獲得。この日の決勝はアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールとドライバー交代を行った7号車トヨタだが、ストラテジー上1回ピットストップが多いトヨタが勝つために必要なギャップをうまく広げられずにいた。

 しかし、ラピエールからスイッチした一貴は1号車アウディR18 e-トロン・クワトロの接触による後退、さらにセーフティカー後のクリアをうまく使ったスパートをうまく使い、アウディ勢とのギャップを築くことに成功。

 さらに、1号車アウディを駆るアンドレ・ロッテラーの追い上げの中でプッシュし、100周以上の周回をこなすハードワークを見事完遂。嬉しい地元勝利、そして新生WECでの日本人初勝利を達成することになった。

 昨年のフォーミュラ・ニッポンでの優勝の時もどこかサバサバした様子だった一貴だが、この日はゴール後のパルクフェルメで何度も拳を突き上げ、感情を爆発させた。

「最後、チームからはハードにプッシュして、給油のスプラッシュのために40秒以上のギャップを築くように言われました。言われた時点では30秒少ししかなかったので、懸命にプッシュしましたね。アンドレには本当に苦しめられました(笑)」とレース後の記者会見で語った一貴。

「最後はトヨタのフラッグがあちこちではためいていて、本当に勇気づけられました。素晴らしい結果を出すことができて、チーム、そしてサポートしてくれた人たちに感謝しています」

 しかし、外国人記者から、「WECで優勝する初めての日本人ドライバーとしての気分は?」と聞かれた一貴は、いつもの謙虚な様子で「もちろん嬉しいんですが、チームがいいマシンを用意してくれたからですし、チームメイトの頑張り、そしてハイブリッドシステムを作ってくれた皆さんの勝利だと思います」とチームへの感謝を忘れない様子だった。

「ドライバーとして世界選手権で勝つことが目標だったので、そこはもちろん嬉しく思います」と会見でのコメントを締めくくった一貴。レース後、チームスタッフの多くが記念写真を求め、笑顔で写真に収まった一貴は、長年一貴を追うカメラマンに、「今まででいちばん感動したかも」と“本音”を語ってくれた。

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